BLACK DECELERANT “Reflections Vol.2: Black Decelerant”
TASHI WADA “What Is Not Strange?”
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Leaving Recordsの創設者Matthewdavidが今年リリース予定の待望の新作アルバム『Mycelium Music』に先立つEP「On Mushrooms」をリリース


Leaving Recordsの創設者でもあるMatthewdavidが今年リリース予定の待望の新作フル・アルバム『Mycelium Music』に先立つプライマーとして、アルバムと対をなすEP「On Mushrooms」をリリースしました。
このEP、アルバムの両作品は同じ生態系から表現され、同じ生地から切り出されたものであり、Matthewdavidの最新のサウンドの探求がどこへ向かうのかを予感させる表現力豊かで、エレクトロニックなエネルギーとアンビエントな反射音が合流し、鮮やかな輝きを放っている、来る新作フル・アルバムへの期待が否応無しに膨らむEPです。

 

Matthewdavid new EP “On Mushrooms” out now


Artist: Matthewdavid
Title: On Mushrooms (A Primer for Mycelium Music)
Label: PLANCHA / Leaving Records
Format: Digital EP
Release Date: 2023.01.31
Buy/Listen: https://orcd.co/obb5g8d

1. Culebra with Wilkes (feat. Sam Wilkes)
2. Under a Tree
3. A New Ambient
4. Dampener
5. Too High to Play Bear’s Campout (feat. Brin)
6. One4G

*all music + engineering by MatthewDavid except track 1 is a collaboration with Sam Wilkes, and track 5 is a collaboration with Brin.
*artwork + design Sam Klickner
*tracks 1 & 2 performed and recorded for Listen to Music Outside in the Daylight Under a Tree, at La Tierra de la Culebra, in Highland Park, Los Angeles
*tracks 3-6 recorded at home in Los Angeles

“私の音楽は真実を明らかにするための幸せな偶然への果てしない探求の結果です。私の部屋にある秘密の抜け穴は、いつもそこにあった答えの境地へと繋がっています。”

決して型にはまらないレコード・レーベル/実験的コミュニティとして絶大な地位を確立しているLAのLeaving Recordsの創始者であるMatthewdavidが今年リリース予定の待望の新作フル・アルバム『Mycelium Music』に先立つプライマーとしてEP「On Mushrooms」を発表。個性的でエッジの効いた、没入感のあるMatthewdavidらしい“ニュー・アンビエント”。

『On Mushrooms』は、LAにあるLa Tierra de la Culebraコミュニティ・アート・パークで定期的に行われているLeaving Recordのイベント「Listen to Music Outside in the Daylight Under a Tree」(日中の屋外で音楽を聴くイベント)で録音された2曲で幕を開ける。生命力溢れるコレクションに相応しく、レーベルメイトのSam Wilkesをフィーチャーした冒頭のトラック「Culebra With Wilkes」ではリヴァービーで穏やかなギターのフレーズにアンビエント的音像が浮遊し、ヒプノティックな世界観が広がる。続く「Under a Tree」では、繊細でミニマルなシンセサイザーが漂い、徐々に天空へと誘われるかのようなサウンドが形成されている。その後はガムランの囁きとドローンがゆっくりと滑らかに交錯し、オーディオリズム奏者Brinとのコラボ曲「Too High To Play Bear’s Campout」では緻密なレイヤー波がうねり、「A New Ambient」での暗号のようなサウンド・コード、そしてクロージング・トラックの「One4G」は、反響の中を沈んでいくように音が広がり幕を閉じる。実験的ながら心地よく幻想的な作品に仕上がっており、Matthewdavidの最新のサウンドの探求がどこへ向かうのかを予感させる表現力豊かなもので、エレクトロニックなエネルギーとアンビエントな反射音が合流し、鮮やかな輝きを放っている。来るフル・アルバムへの期待が否応無しに膨らむEPだ。

以下は、Matt Baldwin(カリフォルニアの著名なギタリスト、作家、サイケデリック心理療法の訓練を受けた心理療法士)が書いた試聴体験談です。

– – –

Matthewdavidの新しい音楽を聴きながらケタミン空間(200mgのロゼンジを経口投与)に身を投じたとき、私ははっきりと同様の印象を受けた。特に、この音楽は私が知る前に私のことを知っていて、私に会うために非常に長い間待っていたのだ、ということだ。この音楽は、他の人の意識を媒介にして、ついにその全体性を表現する機会を待ち望んでいたのである。音楽は、空気の圧力波を媒介にして、他人の内面に意味を伝える日常的なテレパシーの一種である。色と音の波が私を貫いていくとき、私は深い相互関係についての非常に明確なメッセージに圧倒され、まさにこの言葉で定式化された。

私たちは、ほとんどの時間を、同じ人間ではないふりをしながら過ごしています。

私たちのコミュニティの重なり合う円は、輝く生きた曼荼羅として私たちの前に横たわっています。

私たちがお願いしたいのは、あなたがここで感じたことを認め、決して忘れないと約束していただくことだけです。

この音楽との出会いは、自分の部屋の床に秘密の抜け穴を見つけて、足元にきらめく洞窟の果てしないネットワークが常に存在していたことに気付くようなものです。さらに、洞窟はどういうわけか生きていて、月相のツィター(スロベニア、オーストリア、ハンガリーなどで見られる、日本の琴を短くしたような弦楽器)の曲の微妙な火が刻まれた秘密のシジル(主に西洋魔術で使われる図形)の淡い金色の線条細工でネットワーク化されています。なお、夢分析では、隠された空間を見つける夢は、自己の可能性の広がりを象徴していることが多い。

Matthewdavidは、静寂と暗闇の隠された双子のような作品を作り上げた。恐怖や孤独の闇ではなく、新しい形を優しく愛撫しながら発芽するビロードのような闇。この音楽の喜びは、その深いプライバシーにある。太陽の光で煌めき、ヒノキの枝のように一日中、夜の断片を抱え込んでいる。それは磁気の光の波に乗って私たちを前進させ、私たちは人間の傷が永遠に癒され、想像力以外の法がない世界の端の向こうの霧深い森に連れて行かれることに気づく。


Kate NVが3/3にRVNG Intl.からリリースする新作アルバム『WOW』から新たな先行シングルとして「meow chat」をリリース&MV公開

Credit: Jenia Filatova

Credit: Jenia Filatova

マルチ・ハイフネイト・アーティスト、Kate Shilonosovaによるプロジェクト、Kate NVが3月3日にRVNG Intl.からリリースする新作アルバム『WOW』から新たな先行シングルとしてアルバム本編の最後を飾る「meow chat」がリリース&MV公開されました。

簡潔且つファニーで、気ままな不協和音に満ちた「meow chat」は、車のエンジンがひっくり返ろうともがき、ずぶ濡れで長引くシェフのキス、鞘から抜かれる剣など、物理世界の音響アーティファクトがこの曲に集まっている、またはその一部であるにもかかわらず、それらの瞬間的な音にして構成し、非常に抽象的なサウンドに仕上げています。詩的な構造の代わりに、このトラックは聴覚的なネオン・ボール・ピット(ネオンボールで埋め尽くされたプール)のように空間を膨大な量で埋め尽くしていきます。

アルバムの他の曲と同様に一人称の人間の視点を避けており、唯一の歌詞は、誰かが「My」またはおそらく「ニャー」と言っている一瞬のサンプルであり、ヤマハキーボードのキーを叩く子供のように歓喜して上下に繰り返しトリガーされています。パーカッションは合成音と唇を叩く破裂音と舌のクリック音のサンプルのミックスであり、あらゆる種類の音 (アコースティック楽器、シンセサイザー、物理的なオブジェクトによって生成される面白い小さな音) あらゆる音をごちゃ混ぜにして、キャンディーカラーの絵を描く傾向が表現されているのです。

奇妙で愛らしいミュージック・ビデオは「oni (they)」引き続きVladimir “Vova” Shlokovが手がけています。

 

Kate NV new single “meow chat” out now


Artist: Kate NV
Title: meow chat
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Buy/Listen: https://orcd.co/6kdlkzk


Kate NV — Meow Chat (Official Video)

YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=JFwEGZ6XZz4
Created by Vladimir Shlokov

 

Kate NV new album “WOW” 2022.03.03 release


Artist: Kate NV
Title: WOW
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL-185
Format: CD / Digital
※解説・歌詞・対訳付き予定
※ボーナス・トラック収録予定
※CDリリースは日本のみ
Release Date: 2022.03.03
Price(CD): 2,200 yen + tax


リリースするたびに着実に評価を高めている、エクスペリメンタルとポップを巧みに横断するマルチ・ハイフネイト・アーティスト、Kate Shilonosovaによるソロ・プロジェクト、Kate NVの2020年の傑作『Room for the Moon』以来となる4作目のフル・アルバムが遂に完成。従来の自身の曲の形式を華麗に捨て去り、音楽的な時間の経験を恍惚とした断片に分解し、さらなる高みへと到達した圧巻の快作。

『WOW』は、Kate ShilonosovaがKate NVとして6年のキャリアの中で4枚目のフルアルバムであり、RVNG Intl.からは3枚目のリリースとなる。彼女の多作な音楽活動は、高度な美意識と視覚的世界構築への深いコミットメントと一致している。本作は、『WOW』は音楽が色彩で完全に飽和し、深い触感と質感を持つ数ある世界のうちのひとつである。それは光沢のある、スポンジのような、プラスチックのような。『Room for the Moon』が(抽象的に言えば)構造を受け入れ、ポップに傾いたのに対し、WOWは従来の曲の形を喜んで放棄し、音楽の時間という経験を恍惚とした断片に分解している。

本作に『WOW』以上にふさわしいアルバム・タイトルを想像するのは難しい。純粋な感嘆詞、口から出る喜びの有機的なピッチには、明確な語源の関連はないのである。『Room for the Moon』では、Kateの声は重層的で叙情的、かつ切迫したメロディーを持っていたが、本作では、彼女は、隅から隅まで覗き込み、言葉ではない、間違いなく人間ではない言葉で周囲に発する。リリシズムを用いる代わりに、言語の外に出て、ガムボールマシンのようなカラフルに次々と放出されるテクスチャーで私たちに報酬を与える。ソーダの炭酸とゼンマイの歯とプチプチの切れ端が、昆虫の視点から聞こえてきたかのようにコミカルに巨大化する。言葉は食欲をそそる破裂音、オノマトペ、パーカッシヴなさえずりや、ちょっとした冗談であり、そして歌は、彼女の言う”おかしな小さな音”のもうひとつの形として機能しているのである。

『WOW』は傾き、揺れ、自分の足でつまずき、それを笑い飛ばしたり、わざと音を外して演奏したり、重くなった花のように傾き、もたれたりする。彼女はFound Sound Nation(文化的および社会的な分断を越えて人々を結びつけるために音楽制作を使用するクリエイティブ エージェンシー)のBroken Orchestraサンプルパックの長年のユーザーであり、フィラデルフィアの公立学校から調達した1,000以上の老朽化した楽器のサウンド・カタログを使用している。これらの完全であり不完全な楽器は、シンセサイザーと官女の友人が演奏するクラリネット、フルート、マリンバの断片を再編集した『WOW』のパッチワークにしっかりとつなぎ合わされている。それはこのアルバムの内部ロジックの中心であり、何が文や歌で何が壊れていないかを無視しており、主体と客体が入り混じり、ニューウェーブ的な感性をしっかりと持っている。

Kateは長い間、無生物との奇妙な関係を持っており(自転車を親友として挙げている)、あたかもそれらが彼女に呼び起こす喜びが、モノ自体の性格的特徴であるかのようだ。本作では、彼女は一種の逆擬人化を示している。彼女は声を小さくし、大勢の中のオブジェクトとなり、サイズも視点もおもちゃのようになり、座りっぱなしで無関心なルームメイトと同居しているのだ。この子供のような視点の追求は、彼女のカタログの多くを貫く糸であり、何十年にもわたって自分の音楽を子供のような好奇心への入り口として扱ってきた彼女の個人的ヒーローである竹村延和の作品と、自身の作品を題材と音色の両方で同一平面上に置くものである。

この好奇心の追求への誘いによって、『WOW』はKate NVの深い創造性、流動性、技術的な目まぐるしい芸術性をさらに確かなものにしている。制約やルールを拒否することで、kateは深い自由を体現し、オブジェクト、サウンド、プロセスが有機的に展開することを許している。彼女のレンズを通して、小さなものが巨大に、抽象的なものが感覚的に、そして古いものが新しくなるのである。

本作はリスナーの視点とスケールがプリズムのように変化し、平凡な日常が可笑しく、見慣れない、そして完全にセンセーショナルなものになる並行次元を提供する。2020年に発表したアルバム『Room for the Moon』のアプローチをひっくり返して好奇心と驚きに満ちた床の上にこぼし、ケイトは音、物、儀式を顕微鏡の下に置いて、日常生活のありふれた光景の中に隠された喜びを拡大させている。

このリリースの収益の一部は、紛争の影響を受けた子供たちとその家族を支援し、次世代のために持続可能な平和を構築するために活動している組織、War Childに寄付されます。


TRACK LIST:

01. oni (they)
02. confessions at the dinner table
03. slon
04. asleep
05. nochnoi zvonok (night call)
06. mi (we)
07. d d don’t
08. early bird
09. razmishlenie (thinking)
10. flu
11. meow chat

※CDボーナス・トラック収録予定

 

Credit – Jenia Filatova

Credit – Jenia Filatova

KATE NV:
プロデューサー/DJ/演奏家/ヴォーカリスト、ケイト・シロノソヴァによるソロ・プロジェクト。元々はSonic YouthやDinosaur Jr.などに影響を受けたオルタナティヴ・ロック〜ポストパンク・バンド、Glintshakeのヴォーカルとして活動。また、同時に20世紀のクラシカルなミュージシャン達とCornelius Cardewのアイデアとアヴァンギャルドなコンポーズを再構築するMoscow Scratch Orchestraのメンバーでもある。それらと平行してソロとしてNVを始動させ、2014年にジャパニーズ・ポップスやニュージャックスウィング、90’s R&Bなどの影響を感じさせるEP『Pink Jungle』を発表し注目を集め、同年、Red Bull Music Academy Tokyoで初来日を果たす。2016年に待望のソロ・デビュー・フル・アルバム『Binasu』を2016年にGiant ClawとSeth Graham主宰の重要レーベル、Orange Milkからファースト・アルバム『BINASU』をリリース。各所で絶賛され、世界各国をライヴで飛び回る。その才能はエクスペリメンタル・ミュージック・シーンの最先鋭レーベルであるブリルックリンのRVNG Intl.の目にとまり、契約を果たし、2018年にセカンド・アルバム『для FOR』をリリースした。その後初の単独来日ツアーを成功させ、収録曲「вас YOU」は細野晴臣のラジオで2度に渡りプレイするなど、日本でも話題となり、浜離宮恩賜庭園で開催された花紅柳緑(RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2019)への出演も果たした。2020年には待望のサード・アルバムを『Room for the Moon』を引き続きRVNG Intl.からリリース。先行シングル「Sayonara」はPitchforkのベスト・ニュー・トラックに選出され、”The 100 Best Songs of 2020″にもランクインするなど、さらなる評価を高めた。


Satomimagaeが2/3にRVNG Intl.からリリースするデビュー作『Awa』の拡張盤『Awa (Expanded)』から「Tou」と「Green Night (緑色の夜)」が公開


Satomimagaeが2012年に自主製作でリリースしていたデビュー作『Awa』を自ら再考し、リマスタリング、新パッケージにて新たな活力を注ぎ込んだ拡張盤として2/3にRVNG Intl.からリリースする『Awa (Expanded)』から「Tou」と「Green Night (緑色の夜)」が公開されました。

『Awa』は2012年に自主制作でリリースしていたファースト・アルバム。当時一部のレコード・店で販売され、ささやかな反響を呼んだ。2021年発表の最新作『Hanazono』を完成させた後、彼女はこのアルバムを聴き直すと不思議と新鮮な発見があった。そしてこのたび映画『耳をかく女』のエンディング曲「Hoshi」、「Mouf」のリミックスを追加し、Yuya Shitoがリマスタリング、Will Work for Goodのデザインによる新パッケージで新たに拡張盤として現在の所属レーベル、RVNG Intl.からリリース。
CDリリースはPLANCHAから日本のみです。

 

Satomimagae “Tou / Green Night” out now

Artist: Satomimagae
Title: Tou / Green Night
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Release Date: 2023.01.19
Buy/Listen: https://orcd.co/doop79z

Satomimagae – Tou [Official Audio]
https://www.youtube.com/watch?v=JHfH4csamGM

Satomimagae – Green Night [Official Audio]
https://www.youtube.com/watch?v=8erTHOGiBZk

 

Satomimagae “Awa (Expanded)” 2023/02/03 release


Artist: Satomimagae
Title: Awa (Expanded)
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL-187
Format: CD / Digital
Release Date: 2023.02.03
Price(CD): 2,000 yen + tax


昨年RVNG Intl. / Guruguru Brainから傑作アルバム『Hanazono』をリリースした、東京を中心に活動しているエクスペリメンタル・フォーク・アーティスト、Satomimagae。彼女が2012年にリリースしていた魅力的なデビュー・アルバム『Awa』を再考し、新たな活力を吹き込み、その10周年記念として拡張版『Awa (Expanded)』のリリースが決定。

2011年から2012年にかけてSatomimagae自身によってレコーディング、ミキシング、マスタリングされたこのアルバムは、彼女の特徴である叙情的なアトモスフィア、アコースティック・ギター、環境芸術の組み合わせを支えるソングクラフトに対する鋭い耳と広い目のDIYアプローチを伝えている。大きな衝撃というよりも深い余韻を残す『Awa』は、 Satomimagaeの世界にあるいくつかの物語の起源の1つである。

『Awa』は、彼女が7年の間、ほとんど一人で音に没頭していた間に書いた曲を集めたもので、大学で化学と生物学を学んでいた時期と一部重っている。大学では毎日授業、毎晩研究室での実験という生活が繰り返された。その密閉された空間で、ファンタジーの世界が形成され、彼女が慣れ親しんだいくつかの楽器 (古いアコースティック ギター、フェンダー ベース、そして彼女の周囲のフィールド音) に手を伸ばし、その出来事を音楽の文脈の中で捉え、考察していった。彼女の声を含む音の受容体の集合体から、苔の膜、宝箱、灰、蝋などのイメージが浮かび上がる。土と幻想の錬金術、そして音楽の伝統を超えて機能するフォーク・アルバムが形成された。

自宅と実家を行き来しながら、やかんの音、家財道具の音、子供たちの遊ぶ声など、日常生活の中にある不思議な音やリズムと自分の歌を融合させるという新しい試みに挑戦している。映画のサウンドトラック、古いフォークやブルースのレコードの質感、中南米、アフリカ、中東の音楽、そして実験音楽からインスピレーションを得て、彷徨いながらも正確で、荒々しくも確かな音のコンピレーションが生まれたのである。重要なのは、これらの楽曲が元々含まれているノイズも含めて元の音色が尊重されていることで、リヴァーブやディレイなど、音に手を加えることは避けている。そして、それぞれの曲は以前の作品とは明らかに異なっており、このアルバムはデザインによって分類されている。この思想が『Awa』の耐久性の鍵である。それは群れであり、銀河である。

この頃のSatomimagaeの音楽は、主に一人で作られていたが、『Awa』では3人のミュージシャンが重要な役割を果たしている。ライヴに参加することもあるTomohiro Sakuraiは「Kusune」と「Riki」でパワフルなギター演奏とヴォーカルを披露している。ジャズ・トランペッターのYasushi Ishikawaは「Beni」で彼女の歌詞に明確なソット ヴォーチェを加ており、Kentaro Sugawaraは「Tou」でより深い情感を与えるピアノ演奏を見せている。

『Awa』は10年前に自主制作でリリースされ、一部のレコード・ショップで販売され、ささやかな反響を呼んだ。2021年に発表された『花園』を完成させた後、彼女はこのファースト・アルバムの奇妙な音楽にインスピレーションを求めたのだ。初期の作品にありがちなことだが、ファースト・アルバムを欠落したもの、欠陥のあるものとして認識していた。しかし、しばらく間を置いてから、そのアルバムを見直すと、新鮮な発見があった。単なる設計図ではなく、その手触り、心意気は比類なきものだ。Satomimagae自身の手によって蘇り、Yuya Shitoがリマスタリングし、Will Work for Goodのデザインによる新パッケージで生まれ変わった本作は、彼女の近作を愛する全ての人への贈り物となるだろう。


Track List:
01. #1
02. Green Night
03. Inu
04. Q
05. Koki
06. Mouf
07. Hematoxylin
08. Bokuso
09. Tou
10. Kusune
11. Riki
12. Kaba
13. Hono
14. Beni.n
15. Hoshi
16. Mouf Remix

 

Photo: Kanako Sakamoto

Photo: Kanako Sakamoto

Satomimagae
東京を中心に活動しているアーティスト。ギター、声、ノイズで繊細な曲を紡ぎ、有機的と機械的、個人的と環境的、暖かさと冷たさの間を行き来する変化に富んだフォークを創造している。
彼女の音楽的ルーツは中学生の時にギターを始めたことから始まる。父親がアメリカからテープやCDに入れて持ち帰った古いデルタ・ブルースの影響もあり、10代の頃にはソング・ライティングの実験をするようになる。その後PCを導入したことで、より多くの要素を加えた曲を作ることができるようになり、彼女の孤独な作業はアンサンブルへの愛に後押しされるようにななった。大学で分子生物学を専攻していた時にバンドでベースを弾いていたことから、様々な音の中にいることへの情熱と生き物や自然への情熱が交錯し、それが彼女の音の世界を育んでいったのである。
この間、アンビエント音楽、電子音楽、テクノなどの実験的でヴォーカルのない音楽に没頭するようになり、聴き方の幅が広がっていった。サンプラーを手に入れ、日本のクラブやカフェでのソロライブを始めた。苗字と名字を融合させた「サトミマガエ」は、彼女の独特のフォークトロニックな考察を伝える公式キャラクターとなった。
初期のアンビエント・フォーク・シンセサイザーを集めたファースト・アルバム『awa』(2012年)は、ローファイ/DIYのセルフ・レコーディング技術を駆使した作品である。2枚目のアルバム『Koko』(2014年)では、彼女は控えめでライヴ感のあるパフォーマンスと、フォークの伝統に馴染んだ温かく牧歌的なエネルギーの冷却を追求した。続いて、『Kemri』(2017)では、より豊かな和音とリズムで伝えられる人間的な感覚に触発されて、この効果をバランスよく調整している。彼女の2作品をリリースしたレーベル、White Paddy Mountainとそのディレクター畠山地平の影響を受けて、スタジオ環境の中でよりコンセプチュアルな方向に進むことができたが、彼女の作曲やレコーディングのプロセスは、自分で作ったものであることに変わりはない。
そしてNYの最先鋭レーベル、RVNG Intl.へ移籍してのリリースとなる『Hanazono』では、URAWA Hidekiのエレクトリック・ギターとバード・コールが加わったことで、子供のような魅力を持つSatomiの微細なヴィジョンが融合している。Satomiの姉であり、アルバムやウェブサイトのすべての作品を担ってきたNatsumiの直感的なビジュアルが、温かみのあるものとクールなもの、手作りと機械で作られたものが混ざり合うというSatomiの夢を、彼女の別世界への窓のように機能する木版画で見事に表現している。
2021年には最新アルバム『Hanazono』に由来する繊細な周辺の花びらの配列である”コロイド”を構築した。自身の楽曲から4曲を選曲しリアレンジした『Colloid』を引き続きRVNG Intl.から発表した。


カナダはエドモントンのチルアウト・ダンス・ミュージックの才人Khotinが2/17にGhostly Internationalからリリースするニュー・アルバム『Release Spirit』から先行セカンド・シングルとなる「Unlimited <3」が公開

Photo by Patrick Holland

Photo by Patrick Holland

レトロ・テイストのシンセを基調にアンビエントとニュー・エイジを横断していくようなチルアウト・ダンス・ミュージックを構築するカナダはエドモントンのプロデューサー、Dylan Khotin-Footeによるソロ・プロジェクトKhotinが2/17にGhostly Internationalからリリースするニュー・アルバム『Release Spirit』から先行セカンド・シングルとなる「Unlimited <3」が公開されました。

なお本作のCDリリースはPLANCHAから日本のみでボーナス・トラックが1曲追加されます。

 

Khotin new single “Unlimited <3” out now

YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=R4Yn-L8Em-4

 

Khotin new album “Release Spirit” 2023/02/17 release


Artist: Khotin
Title: Release Spirit
Label: PLANCHA / Ghostly International
Cat#: ARTPL-180
Format: CD
※日本独自CD化
※ボーナス・トラック1曲収録
Release Date: February 17, 2023
Price(CD): 2,200yen + tax


レトロ・テイストのシンセを基調にアンビエントとニュー・エイジを横断していくようなチルアウト・ダンス・ミュージックを構築するカナダはエドモントンのプロデューサー、Dylan Khotin-Footeによるソロ・プロジェクトKhotinの待望の新作が完成。
歪んだシンセ、ブレイクビーツ、ピアノの音に、リリカルなサンプル、フィールド・レコーディング、その他の抽象的な断片を混ぜ合わせ、より意図的な自由で遊び心のある作品に到達。Khotinのドリーミーなスタイルの暖かさと親しみやすさが、新しいアイデアとフレームワークに出会い、自然な進行とささやかな啓示を受けたという決定的なフルレングス。

Dylan Khotin-Footeは、Khotinという別名義を10年以上続けており、印象派的なエレクトロニック・プロジェクトは、彼の人生の動きとともに変化している。2014年に発表した『Hello World』のクラブ・フレンドリーなグルーヴでバンクーバーのアンダーグラウンド・ダンス・シーンの中心へと躍り出たが、一方でDJ疲れを癒すダウンテンポの2018年の『Beautiful You』のよなアプローチも見せる。彼のメロディックな感性と雰囲気に対する遊び心のある耳は、依然としてプロジェクトの指紋の波打つ核となっており、ビート・ドリヴンであれアンビエントであれ、Khotinのトラックには一聴で分かる独特の渦巻きがある。Ghostly Internationalから2枚目のLPとなる『Finds You Well』を2020年にリリースした後、Khotin-Footeは故郷のエドモントンでゆっくりとした雰囲気の中に身を置くようになった。パンデミック以前から、ソフトなプロダクションに軸足を移し、DJ活動から離れたことで、バンクーバーやクラブでのブッキングの機会は全体的に減っていたが、内向的な性格を自認する彼は、それを良しとしていた。そして彼は、新曲のトーン、ペース、ダイナミズムといった技術を倍加させ、決定的なフルレングスに到達した。それが本作『Release Spirit』である。Khotinは期待というプレッシャーから自分を解放し、彼の音楽について私たちが知っているすべてを融合させ、洗練させている。Khotinのドリーミーなスタイルの暖かさと親しみやすさが、新しいアイデアとフレームワークに出会い、自然な進行とささやかな啓示を受けたのである。

アルバムタイトルは、ビデオゲーム「World of Warcraft」の中の「Release Spirit」という仕組みを借用したもの。プレイヤーは死ぬと、魂を解放し、亡霊となって自分の死体を見つけて生き返るように促される。Khotinはこれを、帰郷によってもたらされた差し迫った変化と、その結果として生じる、創造的な自分を再び見つけるために芸術的な期待を浄化するプロセスの、価値ある比喩だと考えている。今作では、歪んだシンセ、ブレイクビーツ、ピアノの音に、リリカルなサンプル、フィールド・レコーディング、その他の抽象的な断片を混ぜ合わせ、より意図的な自由で遊び心のある作品に仕上がっている。ミックスとシーケンスには、今回初めてNik Kozubを起用した。Khotin-Footeは、レーベルNormals Welcomeを共同運営していた頃、エドモントンを拠点とするミュージシャン兼エンジニアのNikとマスタリングの工程で長い間一緒に仕事をしてきましたが、今回は彼らの距離が近くなったため、彼の”耳”をより早く取り入れることができたのだろう。結果的に「今までで一番いい音のレコードになったと思う」と語っている。

『Release Spirit』はKhotinが家族旅行で訪れたブリティッシュコロンビア州のオカナガン湖で過ごしたHappy Valley Roadでの出来事で制作された「HV Road」で幕を開ける。夜のコオロギを録音しようとしたようだが、弟妹によってすぐに阻止されてしまう。この可愛らしいやり取りが、リスナーをある種のコアな記憶へと導き、Khotinの最もトランスペアレントな楽曲を特徴づけてきた、誰もが理解できる温かさと驚異的なトーンを設定する。この曲は、ビートと人の声のようなハミングの相互作用で作られたグルーヴとメロディーの傑出した曲で、Khotinはこのゾーンを知り尽くしており、黙想にもクラブでのウォームアップにも等しく適している。

「3 pz」の泡立つような雰囲気と不条理さは、宇宙的でコミカルな間奏曲であると同時に、2世代前に彼の家族がカナダに移住し、英語を学ぶために使用したオーディオ・チュートリアルについて振り返っていることを語っている。「私の祖父母が奇妙なフレーズを繰り返しているのを想像することができるんだ」と彼は説明する。「Fountain, Growth」では、KhotinはモントリオールのTess Roby(3人組バンド、Dawn to Dawnとしても活動している)とコラボレーションし、プロジェクト初のヴォーカル・トラックを披露。Tessの柔らかな語り口は、螺旋状のエアポケットに響くリズミカルなプロダクションの上で、シューゲイザー・ポップのような爽やかさを醸し出している。このシングルとアルバムを通して、曲の名前の由来である彷徨える精霊のように、構成されたレイヤーの間を風が吹き抜け、「Life Mask」の鳥のさえずりを経て、「Unlimited <3>」へとシームレスに到達していく。後者はスローモーションで、カシオトーンから聞こえる実体のない音が808ドラムとサブ・ベースとぶつかり合い、トラップとインストゥルメンタル・ヒップホップの間を行き来するようなヴァイヴスを生み出している。

『Release Spirit』は夢の中のシークエンスで休息しているかのようであり、デジタル化されたアンビエントの「My Same Size」の前に、「Techno Creep」の心臓の鼓動に合わせて振動するシンセラインが踊り、ハイパーなレム状態を表現している。そして最後のパスでは、Khotinは画面の輝きから大陸横断の旅を想像し、ヨーロッパと日本の鉄道路線を追ったYouTube動画のジャンルのサウンドトラックとして、「Sound Gathering Trip」を録音した。ピアノの鍵盤が鳴り響き、静寂に満ちたサウンド・デザインが街並みから田園風景まで、レールの上を揺れ動き、彼のベッドルームの向こう側の世界を内省的に駆け抜ける。

この作品は、Khotinのプロジェクト全体に対する適切な別れのイメージを兼ね備えています。大きな夢を持ちながらも、細部にまでこだわり、内側から環境を形成している時が最も幸せな時なのだ。過去10年間、彼はエドモントンを拠点に、バンクーバーやその周辺に痕跡を残してきた。しかし、すべての兆候が故郷を指すとき、彼は別の視点からすべてを見るためにループバックし、活性化し、洗練され、自由になる。


TRACK LIST:

01. HV Road
02. Lovely
03. Home World 303
04. 3 pz
05. Computer Break (Late Mix)
06. Fountain, Growth (ft Tess Roby)
07. Life Mask
08. Unlimited <3
09. Techno Creep
10. My Same Size
11. Sound Gathering Trip
12. Dreamfoil (Bonus Track)

 

Photo by Tess Roby

Photo by Tess Roby


Khotin:

カナダはエドモントンを拠点に活動しているプロデューサー、Dylan Khotin-Footeによるソロ・プロジェクト。最初期はHappy Trendy名義で活動していたが、2014年にKhotinへと変名。様々なアーティストを輩出するカナダの優良カセット・レーベル1080pからファースト・アルバム『Hello World』をリリースして注目を集め、2015年にはMUTEK Montrealに出演。2017年には『New Tab』をセルフ・リリース(ヴァンクーバーのPacific Rhythmがヴァイナル化し、日本ではScentがCD化)にて発表した後、2018年に『Beautiful You』をリリース。各所で絶賛され、Ghostly Internationalとの契約と至る。そして翌年同レーベルからヴァイナルもリリースされた。2020年にはGhostly Internationalから2作目となる『Finds you Well』で、ベッドルームからフロアまでを横断する至極のチルアウト・サウンドを見せ、さらなる評価を高めた。
Khotinのアプローチは実に多彩で、穏やかなシンセのアトモスフェリックなものからヒプノティックでダンサブルなものまでを横断し、印象的でドリーミーなサウンドを展開。サウンドのバランスや安定感が絶妙で、その心地よいリスニング感はジャンルの垣根を越えて注目度が高まっている。


Gold Pandaの最新作『The Work』に収録の「Plastic Future」のSkee Maskによるリミックスが公開!

Photo credit: Laura Lewis

Photo credit: Laura Lewis

自身の個人的な経験や成長をそのサウンドで一際エモーショナルに表現するロンドンのエレクトロニック・ミュージック・プロデューサー、Derwin DickerによるGold Pandaが6年ぶりにリリースした通算4作目の新作アルバム『The Work』に収録の「Plastic Future」の、Ilian Tapesを中心に多くの作品を発表し、現代エレクトロニック・ミュージック・シーンで異彩を放つ才人、ミュンヘンの匿名アーティスト、Skee Maskによるリミックスが公開されております。

このリミックスはDaniel Averyのリミックスと共に日本盤のCDのボーナス・トラック(ダウンロード・コード)になっております。

 

Gold Panda – “Plastic Future (Skee Mask Remix)”


Artist: Gold Panda
Title: Plastic Future (Skee Mask Remix)
Label: PLANCHA / City Slang
Format: Digital Single
Buy / Listen: https://orcd.co/r6mqlde

 Gold Panda – “Plastic Future (Skee Mask Remix)” (Official Audio)

YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=pSh1QRHzJ_Q

Gold Panda New Album “The Work” 11/11 release


Artist: Gold Panda
Title: The Work
Label: PLANCHA / City Slang
Cat#: ARTPL-183
Format: CD / Digital
Release Date: 2022.11.11
Price(CD): 2,200 yen + tax

ボーナス・トラック2曲のダウンロード・コード付き(帯裏)
解説: 東海林修(UNCANNY)


自身の心象風景とフロアを地続きに横断するエモーショナルなエレクトロニック・ミュージックを構築するロンドンのプロデューサー、Gold Pandaのおよそ6年ぶりの新作アルバム!父親になるという大きな変化を経て、大胆で遊び心に満ちた傑作を完成!

アーティストがリリースするレコードを通じて、自身の個人的な経験や成長を時系列で表現することはそれほど珍しいことでないが、Gold Pandaほどエモーショナルにそれを表現するエレクトロニック・アーティストはなかなかいない。

Gold PandaことDerwin Dickerの待望の4thフルアルバム「The Work」。このアルバムのタイトルは、彼が6年の歳月をかけて制作したレコードを文字通りに表現していると同時に、より深く掘り下げると、彼が今この場所に辿り着くまでの経緯も同じように反映されているという、興味深いものとなっている。
「”The Work”は、私のセラピーでよく使われているもので、セルフケアやメンタルヘルスに関する本でもよく耳にする言葉です。私はセラピー、ランニング、ピラティス、そしてオステオパスを実践してきました」と笑います。しかし、ここ数年は「セルフケアと、自分のどこが悪いのか、なぜ落ち込んでいるのかを知るために自分自身に働きかけること」が主な目的だったと、より簡潔に語っている。また、長女が生まれたことで自分の時間を作ることが難しくなったという。

ダーウィンは、人生観とセルフケアの両方を変える必要があると気づいた、とても具体的な瞬間を挙げている。「日本にいたとき、とてもひどいホテルに泊まったんです。窓がひとつしかなくて、その窓はバスルームにあったんです。ホテルの部屋から出ると、そこは24階建ての巨大なタワーマンションで、人が飛び降りないようにメッシュのネットが張られていたんです。とても憂鬱だったし、『なんてこった、まだジャンプできる』と思った」。

「本当に二日酔いだったんだ」と彼は明かす。「それが最後の泥酔だった。お酒を飲むのは好きだけど、二日酔いや後悔、不安や憂鬱には耐えられないんだ。その時はまだシラフでライヴをしたことがなかったから、リアルタイムで自分が何をやっているのか意識しながら、新しいことを克服しなければならなかった。アルコールがあると、間違った自信を持つことになります。それに、恐怖や緊張に対抗したり克服したりするために酔うのではなく、恐怖や緊張を感じることを選択し、自分の感情ともっと向き合うことを学ばなければなりませんでした」。

個人的にもアーティストとしても、明らかに幸せでリラックスしている彼は、現在進行中の変化の最大のきっかけは父親になったことであることを明かしています。「娘たちが生まれた今、目標は生き続けることだ」「40代で幸せになれるとは思っていなかった。でも、40歳になったことで、他の人が期待していることではなく、自分が好きで心地よくできることに気づけたと思う」と付け加えました。期待に応えることは、ダーウィンの私生活と同様に新曲にも表れており、「The Work」がこれまでで最も変化に富み、驚くべきレコードになったことを彼は喜んでいる。「多くの曲は、あなたが期待するような方向には進まないと思う。たくさんの変化と、たくさんのことが起こっているんだ」。

Gold Pandaのレコードはどれも、彼自身の人生の重要な分岐点にあったことは明らかだ。デビュー作『Lucky Shiner『(2010年)は、彼の20代後半の姿を映し出したもので、自由で、固定観念に縛られない、目まぐるしい作品だった。その次のアルバムは『Half of Where You Live』(2013年)というタイトルで、当時の彼の感情的な見通しがよくわかるタイトルだ。彼は音楽の境界線を押し広げながら、評価が高まり、個人的にも仕事的にも都市間を移動する生活を送るアーティストとはどういうことかを問いかけた。3枚目のアルバム『Good Luck And Do Your Best』(2016年)は、故郷エセックスと、かつては一時定住したこともあり、たびたび訪れていた日本に根ざし、自己とサウンドを温かく再確認させるものだった。

そして6年後の現在、『The Work』は、自分自身と音楽の実践を振り返り、適応し、改善するために時間と注意を払い、驚くべき結果を出した作品だ。この作品は、彼のこれまでのキャリアを特徴づけてきたエモーショナルな資質を呼び起こすと同時に、より大胆で遊び心のあるものに仕上がっている。本作は、明らかにダーウィンに良い影響を与えており、2022年までの自身の音楽の旅について、嬉しそうに考察している。「私はいつも”クール”な音楽をやりたかったんだけど、自分が作る音楽しか作れないんだよね。だからクラブ・ミュージックを作るのは難しいんだと思う。クラブにいる時間が少ないんだ」と笑う。”自分がどこに当てはまるのかわからない、それがいいのかもしれない”と彼は笑う。


TRACK LIST:

01. Swimmer
02. The Dream
03. The Corner
04. The Want
05. I’ve Felt Better (ThanIDoNow)
06. Plastic Future
07. New Days
08. I Spiral
09. Arima
10. Chrome
11. Joni’s Room
ボーナス・ダウンロード・コード
12. I’ve Felt Better (Daniel Avery Remix) [Bonus Track]
13. Plastic Future (Skee Mask Remix) [Bonus Track]
(帯裏のダウンロード・コードから入手可能)
※諸事情によりボーナス・トラックの仕様が変更になりました。

 


Kate NVの通算4作目となるニュー・アルバム『WOW』がRVNG Intl.から来年3月3日にリリース決定!先行シングルとして食品まつりa.k.a foodmanが作詞を手がけた「oni (they)」がリリース&MV公開!

Credit - Jenia Filatova

Credit – Jenia Filatova

マルチ・ハイフネイト・アーティスト、Kate Shilonosovaによるプロジェクト、Kate NVの通算4作目にしてRVNG Intl.からは3作目となる新作アルバム『WOW』が2023年3月3日にリリース決定。先行シングルとしてアルバム冒頭を飾る「Oni (They)」がリリース&MV公開されました。

公開されたシングル「oni (they)」は食品まつりa.k.a foodmanが日本語で作詞を手がけています。アルペジオのリズムに乗せて、ユニークな日本語詞をケイトのコーラスが戯れるように歌い、弾力性のあるベース・ラインとヴォーカル・サンプルの爆発でコミカル且つポップに展開されていきます。そのタイトル通りフル・アルバム『WOW』に向けて、神秘的とは言わないまでもワクワクするような予兆を放っています。

また、同時にVladimir “Vova” Shlokoによる素晴らしく奇妙なミュージック・ビデオも公開されております。

 

Kate NV new album “WOW” 2022.03.03 release


Artist: Kate NV
Title: WOW
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL-185
Format: CD / Digital
※解説・歌詞・対訳付き予定
※ボーナス・トラック収録予定
※CDリリースは日本のみ
Release Date: 2022.03.03
Price(CD): 2,200 yen + tax


リリースするたびに着実に評価を高めている、エクスペリメンタルとポップを巧みに横断するマルチ・ハイフネイト・アーティスト、Kate Shilonosovaによるソロ・プロジェクト、Kate NVの2020年の傑作『Room for the Moon』以来となる4作目のフル・アルバムが遂に完成。従来の自身の曲の形式を華麗に捨て去り、音楽的な時間の経験を恍惚とした断片に分解し、さらなる高みへと到達した圧巻の快作。

『WOW』は、Kate ShilonosovaがKate NVとして6年のキャリアの中で4枚目のフルアルバムであり、RVNG Intl.からは3枚目のリリースとなる。彼女の多作な音楽活動は、高度な美意識と視覚的世界構築への深いコミットメントと一致している。本作は、『WOW』は音楽が色彩で完全に飽和し、深い触感と質感を持つ数ある世界のうちのひとつである。それは光沢のある、スポンジのような、プラスチックのような。『Room for the Moon』が(抽象的に言えば)構造を受け入れ、ポップに傾いたのに対し、WOWは従来の曲の形を喜んで放棄し、音楽の時間という経験を恍惚とした断片に分解している。

本作に『WOW』以上にふさわしいアルバム・タイトルを想像するのは難しい。純粋な感嘆詞、口から出る喜びの有機的なピッチには、明確な語源の関連はないのである。『Room for the Moon』では、Kateの声は重層的で叙情的、かつ切迫したメロディーを持っていたが、本作では、彼女は、隅から隅まで覗き込み、言葉ではない、間違いなく人間ではない言葉で周囲に発する。リリシズムを用いる代わりに、言語の外に出て、ガムボールマシンのようなカラフルに次々と放出されるテクスチャーで私たちに報酬を与える。ソーダの炭酸とゼンマイの歯とプチプチの切れ端が、昆虫の視点から聞こえてきたかのようにコミカルに巨大化する。言葉は食欲をそそる破裂音、オノマトペ、パーカッシヴなさえずりや、ちょっとした冗談であり、そして歌は、彼女の言う”おかしな小さな音”のもうひとつの形として機能しているのである。

『WOW』は傾き、揺れ、自分の足でつまずき、それを笑い飛ばしたり、わざと音を外して演奏したり、重くなった花のように傾き、もたれたりする。彼女はFound Sound Nation(文化的および社会的な分断を越えて人々を結びつけるために音楽制作を使用するクリエイティブ エージェンシー)のBroken Orchestraサンプルパックの長年のユーザーであり、フィラデルフィアの公立学校から調達した1,000以上の老朽化した楽器のサウンド・カタログを使用している。これらの完全であり不完全な楽器は、シンセサイザーと官女の友人が演奏するクラリネット、フルート、マリンバの断片を再編集した『WOW』のパッチワークにしっかりとつなぎ合わされている。それはこのアルバムの内部ロジックの中心であり、何が文や歌で何が壊れていないかを無視しており、主体と客体が入り混じり、ニューウェーブ的な感性をしっかりと持っている。

Kateは長い間、無生物との奇妙な関係を持っており(自転車を親友として挙げている)、あたかもそれらが彼女に呼び起こす喜びが、モノ自体の性格的特徴であるかのようだ。本作では、彼女は一種の逆擬人化を示している。彼女は声を小さくし、大勢の中のオブジェクトとなり、サイズも視点もおもちゃのようになり、座りっぱなしで無関心なルームメイトと同居しているのだ。この子供のような視点の追求は、彼女のカタログの多くを貫く糸であり、何十年にもわたって自分の音楽を子供のような好奇心への入り口として扱ってきた彼女の個人的ヒーローである竹村延和の作品と、自身の作品を題材と音色の両方で同一平面上に置くものである。

この好奇心の追求への誘いによって、『WOW』はKate NVの深い創造性、流動性、技術的な目まぐるしい芸術性をさらに確かなものにしている。制約やルールを拒否することで、kateは深い自由を体現し、オブジェクト、サウンド、プロセスが有機的に展開することを許している。彼女のレンズを通して、小さなものが巨大に、抽象的なものが感覚的に、そして古いものが新しくなるのである。

本作はリスナーの視点とスケールがプリズムのように変化し、平凡な日常が可笑しく、見慣れない、そして完全にセンセーショナルなものになる並行次元を提供する。2020年に発表したアルバム『Room for the Moon』のアプローチをひっくり返して好奇心と驚きに満ちた床の上にこぼし、ケイトは音、物、儀式を顕微鏡の下に置いて、日常生活のありふれた光景の中に隠された喜びを拡大させている。

このリリースの収益の一部は、紛争の影響を受けた子供たちとその家族を支援し、次世代のために持続可能な平和を構築するために活動している組織、War Childに寄付されます。


TRACK LIST:

01. oni (they)
02. confessions at the dinner table
03. slon
04. asleep
05. nochnoi zvonok (night call)
06. mi (we)
07. d d don’t
08. early bird
09. razmishlenie (thinking)
10. flu
11. meow chat

※CDボーナス・トラック収録予定

 

Kate NV new single “oni (they)” out now


Artist: Kate NV
Title: oni (they)
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Release Date: 2022.12.06
Buy/Listen: https://orcd.co/mk2xgxy


Kate NV — oni (they) official video

YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=s4euYMd4-l0

 

Credit – Jenia Filatova

Credit – Jenia Filatova

KATE NV:
ロシアはモスクワをベースに活動しているプロデューサー/DJ/演奏家/ヴォーカリスト、ケイト・シロノソヴァによるソロ・プロジェクト。元々はSonic YouthやDinosaur Jr.などに影響を受けたオルタナティヴ・ロック〜ポストパンク・バンド、Glintshakeのヴォーカルとして活動。また、同時に20世紀のクラシカルなミュージシャン達とCornelius Cardewのアイデアとアヴァンギャルドなコンポーズを再構築するMoscow Scratch Orchestraのメンバーでもある。それらと平行してソロとしてNVを始動させ、2014年にジャパニーズ・ポップスやニュージャックスウィング、90’s R&Bなどの影響を感じさせるEP『Pink Jungle』を発表し注目を集め、同年、Red Bull Music Academy Tokyoで初来日を果たす。2016年に待望のソロ・デビュー・フル・アルバム『Binasu』を2016年にGiant ClawとSeth Graham主宰の重要レーベル、Orange Milkからファースト・アルバム『BINASU』をリリース。各所で絶賛され、世界各国をライヴで飛び回る。その才能はエクスペリメンタル・ミュージック・シーンの最先鋭レーベルであるブリルックリンのRVNG Intl.の目にとまり、契約を果たし、2018年にセカンド・アルバム『для FOR』をリリースした。その後初の単独来日ツアーを成功させ、収録曲「вас YOU」は細野晴臣のラジオで2度に渡りプレイするなど、日本でも話題となり、浜離宮恩賜庭園で開催された花紅柳緑(RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2019)への出演も果たした。2020年には待望のサード・アルバムを『Room for the Moon』を引き続きRVNG Intl.からリリース。先行シングル「Sayonara」はPitchforkのベスト・ニュー・トラックに選出され、”The 100 Best Songs of 2020″にもランクインするなど、さらなる評価を高めた。


急遽決定!Maarja Nuut来日追加公演 Maarja Nuut Japan Show 2022 – Additional Show –

12月6日(火)に代官山・晴れたら空で豆まいてにて開催されました初来日公演が大好評を博している、エストニアのコンポーザー/プロデューサー/シンガー/ヴァイオリニスト、Maarja Nuutの追加公演が急遽決定致しました。
12月10日(土)に落合SOUPにて開催致します。こちらはワンマン公演となります。

2021年の裏ベスト・アルバムとの呼び声も高く(ele-kingでE王レビュー獲得やResident Advisor等でも絶賛)話題となり、日本盤もリリースされた最新作『Hinged』の楽曲を中心に披露致します。

Phhoto by Vahtra Anu

Phhoto by Vahtra Anu

 

Maarja Nuut Japan Show 2022 – Additional Show –

“Hinged” Release Party at Soup

日程:2022年12月10日(土)
会場:落合 Soup (map)
時間:OPEN 18:30 /START 19:00

料金:予約 / 当日 ¥3,000
(ご予約が定員に達した場合は当日券の販売はございません)

出演:
Maarja Nuut

イベントは終了致しました。ご来場誠にありがとうございました。

 

Photo by Taavi Arus

Photo by Taavi Arus

Maarja Nuut:
1986年生まれ、エストニアはラクヴェレ出身のコンポーザー/プロデューサー/シンガー/ヴァイオリニスト。幼少期から合唱団の指導者でもあった母親の影響で音楽を親しむようになる、7歳からヴァイオリンのレッスンを受け始め、12歳からタリン音楽高等学校で学んだ後、エストニア音楽・演劇アカデミーに入学。エストニアやヨーロッパ各地の音楽祭に参加し、早くから民族音楽に興味を持つようになる。21歳のとき、オランダ人チェリストのサスキア・ラオ・デ・ハースとともにインドを訪れ、ヒンドゥスターン音楽を学んだ。
2008年、エストニアに戻った彼女は民族音楽の道に進むことを決め、タルトゥ大学の一部門であるヴィリヤンディ文化アカデミーで学んだ。ここで、ソビエト連邦以前のエストニアの村の音楽の78回転レコードに出会い、インスピレーション得る。2011年からストックホルム大学で学び、特にポーランドの村落民俗音楽への関心を深めた。2014年に音楽の修士号を取得して卒業した。
元々はクラシックを学んでいたが、民族〜フォーク・ミュージックへと傾倒し、伝統的なエストニアのヴィレッジ・スタイル現代的な解釈へと消化するスタイルを確立。2013年にソロ・アーティストとしてアルバム『Soolo』デビューし、タリン・ミュージック・ウィークでアーティスト賞を受賞。2016年、ソロ・セカンド作『Une Meeles』をリリースし高い評価を得た後、独自のアブストラクト・エレクトロニック・サウンドを生成するHendrikKaljujärv(別名Ruum)とのコラボレーションを開始。Maarja Nuut & Ruumのデュオ名義で2枚のアルバムをリリースし、国際的なフェスティバルへの出演も果たす。2020年にはSan Arawとのコラボ作をリリースし話題となった。そして2021年にパンデミックのタイミングで受け継がれた祖母の古い農場の開墾と修理の合間を縫って自信の海辺のスタジオでプロデュース、録音をほぼ1人で敢行した自身にとって”初めての本格的なソロ・アルバム”という『hinged』をリリースした。

Maarja Nuut “hinged” now on sale


Artist: Maarja Nuut
Title: hinged
Label: PLANCHA
Cat#: ARTPL-164
Format: CD / Digital
Release Date: 2022.03.18
Price(CD): 2,200 yen + tax

・日本盤ボーナス・トラック1曲収録
・解説:松山晋也
・歌詞・対訳付き


エストニアのフォークロア~アンビエント~ダンス・ミュージックまでを巧みな実験精神で融合させた唯一無二のフューチャリスティック越境フォークトロニカ。
ele-king(E王獲得)やResident Advisor等でも絶賛され、2021年裏ベスト・アルバムとの呼び声も高いエストニアのコンポーザー/プロデューサー/シンガー/ヴァイオリニスト、Maarja Nuutの最新作『hinged』がボーナス・トラックを追加して日本のみの待望のCDリリースが決定。

2013年にデビュー以来エストニアの伝統的な楽器編成と曲作りを再構築したり、エストニアのフォークロアとアトモスフェリック・テクノを融合するなどして、類い稀な才能を持つ実験音楽家として批評家から高く評価されたてきた。本作『hinged』はソロとしては3作目、RuumことHendrik Kaljujärvや酩酊サイケ・ダブの重鎮Sun Arawとのコラボ作も含めると通算6作目のアルバムである。エストニアの海辺のスタジオにてプロデュース、録音をほぼ1人で敢行しており、本人は「私にとって初めての本格的なソロ・アルバムのような気がします」と語っている。モジュラー(ユーロラック)のモダンなサウンドをランダムに配し、(自分の)声の実験的な可能性を受け入れ、古いヴェルモナのオルガンを弾き、新旧様々な要素を織り交ぜていくなかで完成させた。収録曲のうち3曲にスイスのジャズ・ピアニスト/パーカッショニストのNicolas Stockerをフィーチャーしており、アルバムの展開に重要なアクセントを加えている。

Nicolasの小気味よい五月雨のようなパーカッションに、刻まれ浮遊するようなMaarjaのヴォーカルとオルガンが絶妙に心地よいジャジーなタイトル・トラックで幕を開け、続く「On vaja」でも変則的ながら独特のリズム・キープに中毒性のあるNicolasのパーカッションと周波数をトリップさせる不協和なシンセとぐにゃっとエディットされたヴォーカルでややポストロック調の様相をみせる。ファースト・シングルとしてリリースされた「Kutse tantsule」(ダンスの呼びかけ)では脈打つリズムの中でループし、子守唄のようなヴォーカルで「あなたも私と一緒に踊りに来ますか?」というフレーズを繰り返し、アトモスフェリックでどこかポップな世界を演出。「mees, kes aina igatses」は、おそらくMaarjaの以前のアプローチに最も似ており、木管楽器も絡めて伝統的なエストニアのヴィレッジ・スタイルのようだが、倍音構造にアレンジするなど穏やかな雰囲気とドローンでアップデートしており、未来のフォーク・ソングともいえる独特の牧歌的なムードに引き込まれる。「vaheala valgus」はオルガン・ドローンにハミング・ヴォーカルが融合する無重力のオデッセイをみせ、「subota」では重層的なクリック・ビートと転調させたヴォーカルで秀逸なアンビエント・ダブを披露。ミニマルな展開の「a feast」を経て再びNicolasをフィーチャーした「jojobell」へ。タイトでパーカッシヴなリズムに彗星が急降下するようなシンセを絡めたスペーシーで独特なグルーヴを放つ。「a scene」は後半のハイライトになるトラックで、郷愁にみちたメロディにMaarjaの美しい歌声が注がれ、彼女がより伝統的な曲の構成に従ったときに極めて美しく機能させることができることを示している。そして神秘的なオルガン・ドローンに美しいヴォーカルのタペストリーが幻想的なアンビエント・フォーク「moment」で幕を閉じる。

多岐に渡るアプローチを見せながらも、通底する幻想的でリズミック且つどこかグルーヴィなテイストが綿密なバランスでブレンドされたこの作品は中毒性に満ちている。エストニアのフォークロア、アンビエント〜エレクトロニカ、そして現代的なダンス・ミュージックを点と線で結びつけるような探索的・革新的で極めて秀逸な作品だ。

なお、CDリリースは日本のみ。本作のアウトテイクとなった1曲をボーナス・トラックとして収録。


Track List:
01. hinged (feat. Nicolas Stocker)
02. on vaja_in need (feat. Nicolas Stocker)
03. kutse tantsule_a call to dance
04. mees, kes aina igatses_a man ever yearned
05. vaheala valgus_i hear behind the moon
06. subota
07. a feast
08. jojobell (feat. Nicolas Stocker)
09. a scene_merevees
10. moment
11. see maailm, mis elab sinus (Bonus Track)


ベッドルームとフロアを繋ぐ夢幻のチルアウト・サウンドを構築するカナダはエドモントンのプロデューサーKhotinの新作『Release Spirit』がGhostly Internationalから2/17にリリース決定。リード・トラックとしてTess Robyをフィーチャーした初のヴォーカル・トラック「Fountain, Growth」を発表&MV公開

Photo by Tess Roby

Photo by Tess Roby

レトロ・テイストのシンセを基調にアンビエントとニュー・エイジを横断していくようなチルアウト・ダンス・ミュージックを構築するカナダはエドモントンのプロデューサー、Dylan Khotin-Footeによるソロ・プロジェクトKhotinの待望の新作が再びGhostly Internationalから2023年2月17日にリリース決定。リード・トラックとしてモントリオールのTess Robyとコラボレーションした初のヴォーカル・トラックをリリースし、同時に両者が撮影した映像を使用したミュージック・ビデオも公開されました。

なお、CDはボーナス・トラックが1曲追加されてPLANCHAから日本のみのリリースです。

 

Khotin new album “Release Spirit” 2023/02/17 release


Artist: Khotin
Title: Release Spirit
Label: PLANCHA / Ghostly International
Cat#: ARTPL-180
Format: CD
※日本独自CD化
※ボーナス・トラック1曲収録
Release Date: February 17, 2023
Price(CD): 2,200yen + tax


レトロ・テイストのシンセを基調にアンビエントとニュー・エイジを横断していくようなチルアウト・ダンス・ミュージックを構築するカナダはエドモントンのプロデューサー、Dylan Khotin-Footeによるソロ・プロジェクトKhotinの待望の新作が完成。
歪んだシンセ、ブレイクビーツ、ピアノの音に、リリカルなサンプル、フィールド・レコーディング、その他の抽象的な断片を混ぜ合わせ、より意図的な自由で遊び心のある作品に到達。Khotinのドリーミーなスタイルの暖かさと親しみやすさが、新しいアイデアとフレームワークに出会い、自然な進行とささやかな啓示を受けたという決定的なフルレングス。

Dylan Khotin-Footeは、Khotinという別名義を10年以上続けており、印象派的なエレクトロニック・プロジェクトは、彼の人生の動きとともに変化している。2014年に発表した『Hello World』のクラブ・フレンドリーなグルーヴでバンクーバーのアンダーグラウンド・ダンス・シーンの中心へと躍り出たが、一方でDJ疲れを癒すダウンテンポの2018年の『Beautiful You』のよなアプローチも見せる。彼のメロディックな感性と雰囲気に対する遊び心のある耳は、依然としてプロジェクトの指紋の波打つ核となっており、ビート・ドリヴンであれアンビエントであれ、Khotinのトラックには一聴で分かる独特の渦巻きがある。Ghostly Internationalから2枚目のLPとなる『Finds You Well』を2020年にリリースした後、Khotin-Footeは故郷のエドモントンでゆっくりとした雰囲気の中に身を置くようになった。パンデミック以前から、ソフトなプロダクションに軸足を移し、DJ活動から離れたことで、バンクーバーやクラブでのブッキングの機会は全体的に減っていたが、内向的な性格を自認する彼は、それを良しとしていた。そして彼は、新曲のトーン、ペース、ダイナミズムといった技術を倍加させ、決定的なフルレングスに到達した。それが本作『Release Spirit』である。Khotinは期待というプレッシャーから自分を解放し、彼の音楽について私たちが知っているすべてを融合させ、洗練させている。Khotinのドリーミーなスタイルの暖かさと親しみやすさが、新しいアイデアとフレームワークに出会い、自然な進行とささやかな啓示を受けたのである。

アルバムタイトルは、ビデオゲーム「World of Warcraft」の中の「Release Spirit」という仕組みを借用したもの。プレイヤーは死ぬと、魂を解放し、亡霊となって自分の死体を見つけて生き返るように促される。Khotinはこれを、帰郷によってもたらされた差し迫った変化と、その結果として生じる、創造的な自分を再び見つけるために芸術的な期待を浄化するプロセスの、価値ある比喩だと考えている。今作では、歪んだシンセ、ブレイクビーツ、ピアノの音に、リリカルなサンプル、フィールド・レコーディング、その他の抽象的な断片を混ぜ合わせ、より意図的な自由で遊び心のある作品に仕上がっている。ミックスとシーケンスには、今回初めてNik Kozubを起用した。Khotin-Footeは、レーベルNormals Welcomeを共同運営していた頃、エドモントンを拠点とするミュージシャン兼エンジニアのNikとマスタリングの工程で長い間一緒に仕事をしてきましたが、今回は彼らの距離が近くなったため、彼の”耳”をより早く取り入れることができたのだろう。結果的に「今までで一番いい音のレコードになったと思う」と語っている。

『Release Spirit』はKhotinが家族旅行で訪れたブリティッシュコロンビア州のオカナガン湖で過ごしたHappy Valley Roadでの出来事で制作された「HV Road」で幕を開ける。夜のコオロギを録音しようとしたようだが、弟妹によってすぐに阻止されてしまう。この可愛らしいやり取りが、リスナーをある種のコアな記憶へと導き、Khotinの最もトランスペアレントな楽曲を特徴づけてきた、誰もが理解できる温かさと驚異的なトーンを設定する。この曲は、ビートと人の声のようなハミングの相互作用で作られたグルーヴとメロディーの傑出した曲で、Khotinはこのゾーンを知り尽くしており、黙想にもクラブでのウォームアップにも等しく適している。

「3 pz」の泡立つような雰囲気と不条理さは、宇宙的でコミカルな間奏曲であると同時に、2世代前に彼の家族がカナダに移住し、英語を学ぶために使用したオーディオ・チュートリアルについて振り返っていることを語っている。「私の祖父母が奇妙なフレーズを繰り返しているのを想像することができるんだ」と彼は説明する。「Fountain, Growth」では、KhotinはモントリオールのTess Roby(3人組バンド、Dawn to Dawnとしても活動している)とコラボレーションし、プロジェクト初のヴォーカル・トラックを披露。Tessの柔らかな語り口は、螺旋状のエアポケットに響くリズミカルなプロダクションの上で、シューゲイザー・ポップのような爽やかさを醸し出している。このシングルとアルバムを通して、曲の名前の由来である彷徨える精霊のように、構成されたレイヤーの間を風が吹き抜け、「Life Mask」の鳥のさえずりを経て、「Unlimited <3>」へとシームレスに到達していく。後者はスローモーションで、カシオトーンから聞こえる実体のない音が808ドラムとサブ・ベースとぶつかり合い、トラップとインストゥルメンタル・ヒップホップの間を行き来するようなヴァイヴスを生み出している。

『Release Spirit』は夢の中のシークエンスで休息しているかのようであり、デジタル化されたアンビエントの「My Same Size」の前に、「Techno Creep」の心臓の鼓動に合わせて振動するシンセラインが踊り、ハイパーなレム状態を表現している。そして最後のパスでは、Khotinは画面の輝きから大陸横断の旅を想像し、ヨーロッパと日本の鉄道路線を追ったYouTube動画のジャンルのサウンドトラックとして、「Sound Gathering Trip」を録音した。ピアノの鍵盤が鳴り響き、静寂に満ちたサウンド・デザインが街並みから田園風景まで、レールの上を揺れ動き、彼のベッドルームの向こう側の世界を内省的に駆け抜ける。

この作品は、Khotinのプロジェクト全体に対する適切な別れのイメージを兼ね備えています。大きな夢を持ちながらも、細部にまでこだわり、内側から環境を形成している時が最も幸せな時なのだ。過去10年間、彼はエドモントンを拠点に、バンクーバーやその周辺に痕跡を残してきた。しかし、すべての兆候が故郷を指すとき、彼は別の視点からすべてを見るためにループバックし、活性化し、洗練され、自由になる。


TRACK LIST:

01. HV Road
02. Lovely
03. Home World 303
04. 3 pz
05. Computer Break (Late Mix)
06. Fountain, Growth (ft Tess Roby)
07. Life Mask
08. Unlimited <3
09. Techno Creep
10. My Same Size
11. Sound Gathering Trip
12. Dreamfoil (Bonus Track)

 

Khotin new single “Fountain, Growth (ft. Tess Roby)” out now

credit: Hugo Bernier and Tess Roby

credit: Hugo Bernier and Tess Roby

Khotin – Fountain, Growth (ft. Tess Roby) (Official Video)
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=wEAwI5VjH3Y

Footage in McGillivray and Summerland BC, Edmonton AB by Dylan Khotin-Foote
Footage in Berlin by Tess Roby
Edited by Dylan Khotin-Foote
Written & Produced by Dylan Khotin-Foote
Lyrics & Vocals by Tess Roby
Mixed & Mastered by Nik Kozub

 

Khotin:
カナダはエドモントンを拠点に活動しているプロデューサー、Dylan Khotin-Footeによるソロ・プロジェクト。最初期はHappy Trendy名義で活動していたが、2014年にKhotinへと変名。様々なアーティストを輩出するカナダの優良カセット・レーベル1080pからファースト・アルバム『Hello World』をリリースして注目を集め、2015年にはMUTEK Montrealに出演。2017年には『New Tab』をセルフ・リリース(ヴァンクーバーのPacific Rhythmがヴァイナル化し、日本ではScentがCD化)にて発表した後、2018年に『Beautiful You』をリリース。各所で絶賛され、Ghostly Internationalとの契約と至る。そして翌年同レーベルからヴァイナルもリリースされた。2020年にはGhostly Internationalから2作目となる『Finds you Well』で、ベッドルームからフロアまでを横断する至極のチルアウト・サウンドを見せ、さらなる評価を高めた。
Khotinのアプローチは実に多彩で、穏やかなシンセのアトモスフェリックなものからヒプノティックでダンサブルなものまでを横断し、印象的でドリーミーなサウンドを展開。サウンドのバランスや安定感が絶妙で、その心地よいリスニング感はジャンルの垣根を越えて注目度が高まっている。


Satomimagaeが自主制作でリリースしていたデビュー・アルバム『Awa』の10周年リマスター・拡張版がRVNG Intl.からリリース決定。先行ファースト・シングル「Inu」がリリース&MV公開

Photo: Kanako Sakamoto

Photo: Kanako Sakamoto

昨年RVNG Intl. / Guruguru Brainから傑作アルバム『Hanazono』をリリースした、東京を中心に活動しているエクスペリメンタル・フォーク・アーティスト、Satomimagae。彼女が2012年に自主制作でリリースしていたデビュー・アルバム『Awa』を再考し、新たな活力を吹き込み、その10周年記念として拡張版『Awa (Expanded)』がRVNG Intl.からリリースされることが決定致しました。CD版はPLANCHAからのリリースで、日本のみです。

収録曲から先行ファースト・シングル「Inu」がリリースされ、同時にミュージック・ビデオも公開されました。

 

Satomimagae “Awa (Expanded)” 2023/02/03 release


Artist: Satomimagae
Title: Awa (Expanded)
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL-187
Format: CD / Digital
Release Date: 2023.02.03
Price(CD): 2,000 yen + tax


昨年RVNG Intl. / Guruguru Brainから傑作アルバム『Hanazono』をリリースした、東京を中心に活動しているエクスペリメンタル・フォーク・アーティスト、Satomimagae。彼女が2012年にリリースしていた魅力的なデビュー・アルバム『Awa』を再考し、新たな活力を吹き込み、その10周年記念として拡張版『Awa (Expanded)』のリリースが決定。

2011年から2012年にかけてSatomimagae自身によってレコーディング、ミキシング、マスタリングされたこのアルバムは、彼女の特徴である叙情的なアトモスフィア、アコースティック・ギター、環境芸術の組み合わせを支えるソングクラフトに対する鋭い耳と広い目のDIYアプローチを伝えている。大きな衝撃というよりも深い余韻を残す『Awa』は、 Satomimagaeの世界にあるいくつかの物語の起源の1つである。

『Awa』は、彼女が7年の間、ほとんど一人で音に没頭していた間に書いた曲を集めたもので、大学で化学と生物学を学んでいた時期と一部重っている。大学では毎日授業、毎晩研究室での実験という生活が繰り返された。その密閉された空間で、ファンタジーの世界が形成され、彼女が慣れ親しんだいくつかの楽器 (古いアコースティック ギター、フェンダー ベース、そして彼女の周囲のフィールド音) に手を伸ばし、その出来事を音楽の文脈の中で捉え、考察していった。彼女の声を含む音の受容体の集合体から、苔の膜、宝箱、灰、蝋などのイメージが浮かび上がる。土と幻想の錬金術、そして音楽の伝統を超えて機能するフォーク・アルバムが形成された。

自宅と実家を行き来しながら、やかんの音、家財道具の音、子供たちの遊ぶ声など、日常生活の中にある不思議な音やリズムと自分の歌を融合させるという新しい試みに挑戦している。映画のサウンドトラック、古いフォークやブルースのレコードの質感、中南米、アフリカ、中東の音楽、そして実験音楽からインスピレーションを得て、彷徨いながらも正確で、荒々しくも確かな音のコンピレーションが生まれたのである。重要なのは、これらの楽曲が元々含まれているノイズも含めて元の音色が尊重されていることで、リヴァーブやディレイなど、音に手を加えることは避けている。そして、それぞれの曲は以前の作品とは明らかに異なっており、このアルバムはデザインによって分類されている。この思想が『Awa』の耐久性の鍵である。それは群れであり、銀河である。

この頃のSatomimagaeの音楽は、主に一人で作られていたが、『Awa』では3人のミュージシャンが重要な役割を果たしている。ライヴに参加することもあるTomohiro Sakuraiは「Kusune」と「Riki」でパワフルなギター演奏とヴォーカルを披露している。ジャズ・トランペッターのYasushi Ishikawaは「Beni」で彼女の歌詞に明確なソット ヴォーチェを加ており、Kentaro Sugawaraは「Tou」でより深い情感を与えるピアノ演奏を見せている。

『Awa』は10年前に自主制作でリリースされ、一部のレコード・ショップで販売され、ささやかな反響を呼んだ。2021年に発表された『花園』を完成させた後、彼女はこのファースト・アルバムの奇妙な音楽にインスピレーションを求めたのだ。初期の作品にありがちなことだが、ファースト・アルバムを欠落したもの、欠陥のあるものとして認識していた。しかし、しばらく間を置いてから、そのアルバムを見直すと、新鮮な発見があった。単なる設計図ではなく、その手触り、心意気は比類なきものだ。Satomimagae自身の手によって蘇り、Yuya Shitoがリマスタリングし、Will Work for Goodのデザインによる新パッケージで生まれ変わった本作は、彼女の近作を愛する全ての人への贈り物となるだろう。


Track List:
01. #1
02. Green Night
03. Inu
04. Q
05. Koki
06. Mouf
07. Hematoxylin
08. Bokuso
09. Tou
10. Kusune
11. Riki
12. Kaba
13. Hono
14. Beni.n
15. Hoshi
16. Mouf Remix

 

Satomimagae ‘Inu’ out now


Artist: Satomimagae
Title: Inu
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Release Date: 2022.11.30
Buy/Listen: https://orcd.co/j2jerro

Satomimagae – Inu [Official Video]
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=vS_DXxb47cE

Directed by Kanako Sakamoto
Featuring Hideaki Sakata
Second cameraman: Bobby Pitts II
Assistant: Hidemi Joi

 

Satomimagae
東京を中心に活動しているアーティスト。ギター、声、ノイズで繊細な曲を紡ぎ、有機的と機械的、個人的と環境的、暖かさと冷たさの間を行き来する変化に富んだフォークを創造している。
彼女の音楽的ルーツは中学生の時にギターを始めたことから始まる。父親がアメリカからテープやCDに入れて持ち帰った古いデルタ・ブルースの影響もあり、10代の頃にはソング・ライティングの実験をするようになる。その後PCを導入したことで、より多くの要素を加えた曲を作ることができるようになり、彼女の孤独な作業はアンサンブルへの愛に後押しされるようにななった。大学で分子生物学を専攻していた時にバンドでベースを弾いていたことから、様々な音の中にいることへの情熱と生き物や自然への情熱が交錯し、それが彼女の音の世界を育んでいったのである。
この間、アンビエント音楽、電子音楽、テクノなどの実験的でヴォーカルのない音楽に没頭するようになり、聴き方の幅が広がっていった。サンプラーを手に入れ、日本のクラブやカフェでのソロライブを始めた。苗字と名字を融合させた「サトミマガエ」は、彼女の独特のフォークトロニックな考察を伝える公式キャラクターとなった。
初期のアンビエント・フォーク・シンセサイザーを集めたファースト・アルバム『awa』(2012年)は、ローファイ/DIYのセルフ・レコーディング技術を駆使した作品である。2枚目のアルバム『Koko』(2014年)では、彼女は控えめでライヴ感のあるパフォーマンスと、フォークの伝統に馴染んだ温かく牧歌的なエネルギーの冷却を追求した。続いて、『Kemri』(2017)では、より豊かな和音とリズムで伝えられる人間的な感覚に触発されて、この効果をバランスよく調整している。彼女の2作品をリリースしたレーベル、White Paddy Mountainとそのディレクター畠山地平の影響を受けて、スタジオ環境の中でよりコンセプチュアルな方向に進むことができたが、彼女の作曲やレコーディングのプロセスは、自分で作ったものであることに変わりはない。
そしてNYの最先鋭レーベル、RVNG Intl.へ移籍してのリリースとなる『Hanazono』では、URAWA Hidekiのエレクトリック・ギターとバード・コールが加わったことで、子供のような魅力を持つSatomiの微細なヴィジョンが融合している。Satomiの姉であり、アルバムやウェブサイトのすべての作品を担ってきたNatsumiの直感的なビジュアルが、温かみのあるものとクールなもの、手作りと機械で作られたものが混ざり合うというSatomiの夢を、彼女の別世界への窓のように機能する木版画で見事に表現している。
2021年には最新アルバム『Hanazono』に由来する繊細な周辺の花びらの配列である”コロイド”を構築した。自身の楽曲から4曲を選曲しリアレンジした『Colloid』を引き続きRVNG Intl.から発表した。


Maarja Nuut Japan Show 2022 エストニアの類い稀なる才能が初来日

San Arawとの共作も話題となり、類い稀な才能を持つ実験音楽家として各所から高い評価を得ているエストニアのコンポーザー/プロデューサー/シンガー/ヴァイオリニスト、Maarja Nuut。最新作『hinged』が、2021年の裏ベスト・アルバムとの呼び声も高く(ele-kingでE王レビュー獲得やResident Advisor等でも絶賛)話題となり、日本デビューも果たした彼女の初来日公演が急遽決定しました。

共演にはエストニアで交流も果たしたASUNA、そして『hinged』の日本盤リリースや本公演へのきっかけを作ったShhhhhがDJで彩りを添えます。

Photo by Taavi Arus

Photo by Taavi Arus

 

Maarja Nuut Japan Show 2022

“Hinged” Release Party in Tokyo

日程:2022年12月6日(火)
会場:代官山・晴れたら空に豆まいて
時間:OPEN 18:30 /START 19:30
料金:ADV ¥3,800 / DOOR ¥4,300 (共に1ドリンク代 600円別途)

出演:
Maarja Nuut
ASUNA
DJ: Shhhhh

イベントは無事終了致しました。ご来場誠にありがとうございました。

 

Phhoto by Vahtra Anu

Phhoto by Vahtra Anu

Maarja Nuut:
1986年生まれ、エストニアはラクヴェレ出身のコンポーザー/プロデューサー/シンガー/ヴァイオリニスト。幼少期から合唱団の指導者でもあった母親の影響で音楽を親しむようになる、7歳からヴァイオリンのレッスンを受け始め、12歳からタリン音楽高等学校で学んだ後、エストニア音楽・演劇アカデミーに入学。エストニアやヨーロッパ各地の音楽祭に参加し、早くから民族音楽に興味を持つようになる。21歳のとき、オランダ人チェリストのサスキア・ラオ・デ・ハースとともにインドを訪れ、ヒンドゥスターン音楽を学んだ。
2008年、エストニアに戻った彼女は民族音楽の道に進むことを決め、タルトゥ大学の一部門であるヴィリヤンディ文化アカデミーで学んだ。ここで、ソビエト連邦以前のエストニアの村の音楽の78回転レコードに出会い、インスピレーション得る。2011年からストックホルム大学で学び、特にポーランドの村落民俗音楽への関心を深めた。2014年に音楽の修士号を取得して卒業した。
元々はクラシックを学んでいたが、民族〜フォーク・ミュージックへと傾倒し、伝統的なエストニアのヴィレッジ・スタイル現代的な解釈へと消化するスタイルを確立。2013年にソロ・アーティストとしてアルバム『Soolo』デビューし、タリン・ミュージック・ウィークでアーティスト賞を受賞。2016年、ソロ・セカンド作『Une Meeles』をリリースし高い評価を得た後、独自のアブストラクト・エレクトロニック・サウンドを生成するHendrikKaljujärv(別名Ruum)とのコラボレーションを開始。Maarja Nuut & Ruumのデュオ名義で2枚のアルバムをリリースし、国際的なフェスティバルへの出演も果たす。2020年にはSan Arawとのコラボ作をリリースし話題となった。そして2021年にパンデミックのタイミングで受け継がれた祖母の古い農場の開墾と修理の合間を縫って自信の海辺のスタジオでプロデュース、録音をほぼ1人で敢行した自身にとって”初めての本格的なソロ・アルバム”という『hinged』をリリースした。

Maarja Nuut “hinged” now on sale


Artist: Maarja Nuut
Title: hinged
Label: PLANCHA
Cat#: ARTPL-164
Format: CD / Digital
Release Date: 2022.03.18
Price(CD): 2,200 yen + tax

・日本盤ボーナス・トラック1曲収録
・解説:松山晋也
・歌詞・対訳付き


エストニアのフォークロア~アンビエント~ダンス・ミュージックまでを巧みな実験精神で融合させた唯一無二のフューチャリスティック越境フォークトロニカ。
ele-king(E王獲得)やResident Advisor等でも絶賛され、2021年裏ベスト・アルバムとの呼び声も高いエストニアのコンポーザー/プロデューサー/シンガー/ヴァイオリニスト、Maarja Nuutの最新作『hinged』がボーナス・トラックを追加して日本のみの待望のCDリリースが決定。

2013年にデビュー以来エストニアの伝統的な楽器編成と曲作りを再構築したり、エストニアのフォークロアとアトモスフェリック・テクノを融合するなどして、類い稀な才能を持つ実験音楽家として批評家から高く評価されたてきた。本作『hinged』はソロとしては3作目、RuumことHendrik Kaljujärvや酩酊サイケ・ダブの重鎮Sun Arawとのコラボ作も含めると通算6作目のアルバムである。エストニアの海辺のスタジオにてプロデュース、録音をほぼ1人で敢行しており、本人は「私にとって初めての本格的なソロ・アルバムのような気がします」と語っている。モジュラー(ユーロラック)のモダンなサウンドをランダムに配し、(自分の)声の実験的な可能性を受け入れ、古いヴェルモナのオルガンを弾き、新旧様々な要素を織り交ぜていくなかで完成させた。収録曲のうち3曲にスイスのジャズ・ピアニスト/パーカッショニストのNicolas Stockerをフィーチャーしており、アルバムの展開に重要なアクセントを加えている。

Nicolasの小気味よい五月雨のようなパーカッションに、刻まれ浮遊するようなMaarjaのヴォーカルとオルガンが絶妙に心地よいジャジーなタイトル・トラックで幕を開け、続く「On vaja」でも変則的ながら独特のリズム・キープに中毒性のあるNicolasのパーカッションと周波数をトリップさせる不協和なシンセとぐにゃっとエディットされたヴォーカルでややポストロック調の様相をみせる。ファースト・シングルとしてリリースされた「Kutse tantsule」(ダンスの呼びかけ)では脈打つリズムの中でループし、子守唄のようなヴォーカルで「あなたも私と一緒に踊りに来ますか?」というフレーズを繰り返し、アトモスフェリックでどこかポップな世界を演出。「mees, kes aina igatses」は、おそらくMaarjaの以前のアプローチに最も似ており、木管楽器も絡めて伝統的なエストニアのヴィレッジ・スタイルのようだが、倍音構造にアレンジするなど穏やかな雰囲気とドローンでアップデートしており、未来のフォーク・ソングともいえる独特の牧歌的なムードに引き込まれる。「vaheala valgus」はオルガン・ドローンにハミング・ヴォーカルが融合する無重力のオデッセイをみせ、「subota」では重層的なクリック・ビートと転調させたヴォーカルで秀逸なアンビエント・ダブを披露。ミニマルな展開の「a feast」を経て再びNicolasをフィーチャーした「jojobell」へ。タイトでパーカッシヴなリズムに彗星が急降下するようなシンセを絡めたスペーシーで独特なグルーヴを放つ。「a scene」は後半のハイライトになるトラックで、郷愁にみちたメロディにMaarjaの美しい歌声が注がれ、彼女がより伝統的な曲の構成に従ったときに極めて美しく機能させることができることを示している。そして神秘的なオルガン・ドローンに美しいヴォーカルのタペストリーが幻想的なアンビエント・フォーク「moment」で幕を閉じる。

多岐に渡るアプローチを見せながらも、通底する幻想的でリズミック且つどこかグルーヴィなテイストが綿密なバランスでブレンドされたこの作品は中毒性に満ちている。エストニアのフォークロア、アンビエント〜エレクトロニカ、そして現代的なダンス・ミュージックを点と線で結びつけるような探索的・革新的で極めて秀逸な作品だ。

なお、CDリリースは日本のみ。本作のアウトテイクとなった1曲をボーナス・トラックとして収録。


Track List:
01. hinged (feat. Nicolas Stocker)
02. on vaja_in need (feat. Nicolas Stocker)
03. kutse tantsule_a call to dance
04. mees, kes aina igatses_a man ever yearned
05. vaheala valgus_i hear behind the moon
06. subota
07. a feast
08. jojobell (feat. Nicolas Stocker)
09. a scene_merevees
10. moment
11. see maailm, mis elab sinus (Bonus Track)



ASUNA(アスナ):
石川県出身の日本の電子音楽家。語源から省みる事物の概念とその再考察を主題として作品を制作。同時に音の物理現象に関する美術作品の制作/パフォーマンスも行う。代表作に「organ」の語源からその原義である「機関・器官」としてオルガンを省みた『Each Organ』(2002)、本の語源としてのブナの木を元に情報の記録・運搬について扱った作品『Epidermis of Beech』(2012)などがある。近年は、干渉音の複雑な分布とモアレ共鳴に着目した作品『100 Keyboards』(2013)で、「メルボルン国際芸術祭」(2018)、「シンガポール国際芸術祭」(2019)、「ベルファスト国際芸術祭」(2019) 、など海外のアート・フェスティバルから多数の招待を受け展示/パフォーマンスを行い、昨年も米ニューヨークの名門・BAM(ブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック)からの招待を受け、全公演ソールドアウトとなる単独公演を成功させた。並行した音楽制作では、10代の頃から東京の実験音楽/即興/音響シーンに関わり、様々なアコースティック楽器やPCベースによる作曲作品から即興演奏まで行いつつ、無数のオモチャ楽器と電子音楽によるパフォーマンス『100 Toys』(2007) を中心とし、録音作品では毎回多岐に渡るコンセプトながらも一貫した作品制作を行う。これまで海外25カ国以上で演奏/展示、CDやレコードなどをリリース。ドイツの電子音楽家のヤン・イェリネクや、美術家の佐藤実-m/s、トラックメーカーのshibataらと長年に渡りコラボレーションによる制作も行っている。



Shhhhh (El Folclore Paradox/ The Observatory):

DJ/東京出身。オリジナルなワールドミュージック/伝統伝承の発掘活動。フロアでは民族音楽から最新の電子音楽全般を操るフリースタイル・グルーヴを発明。
執筆活動やジャンルを跨いだ海外アーティストとの共演や招聘活動のサポート。2018年秋よりベトナムはホーチミンのクラブ、The ObservatoryのレジデントDJに就任。
ミャンマー伝統音楽のリミックス盤『Kalab Mixed Myanmar #1』(Rollers)のキュレーション。Worldwide FM、NTSへのmix提供など。Rainbow Disco Club 2022、Mindgames presents Balanceへの出演も。
https://linktr.ee/kanekoshhhhh


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