Lucrecia Daltの作曲に対する内省的なアプローチは、2020年の魅惑的なアルバム『No era sólida』で初めて表面化し、『¡Ay!』では彼女が子供の頃に吸収した音楽ジャンルの無意識的なスペクトルを屈折させている。ボレロ、マンボ、サルサ、メレンゲなど、自身の幼少期を彩った宝物のようなサウンドとシンコペーションが本作で覚醒し、アルバムの輪郭を輝かせている。この音楽の直感的なメロディー構造は、記憶とモジュラー・シンセによって構築され、創作の原点となる蜃気楼へと導き、彼女が常に作りたかったアルバムへと到達させた。
『¡Ay!』は前作『No era sólida』や2018年のアルバム『Anticlines』で探求したように、簡単に定義されたエッジを拡散し、ダルトの特徴である機械的な歪みの暖かさでろ過された、豊かな音響テクスチャのティンクチャーである。アップライト・ベース、管楽器アンサンブル、魔術のような鮮やかなブラスが、放射状のリズムを横切って蒸留されたハーモニック・モチーフの煌めきを形成している。Lucreciaは友人でありコラボレーターのAlex Lázaroと緊密に協力し、スローダウンしたトゥンバオとボレロ・パーカッション・パターンの新しい形と色を開拓した。彼らは伝統的なドラムキットを分解し、コンガ、ボンゴ、テンプルブロック、ティンバレスなどを蛇行させ、ルクレシアの明晰なヴォーカルの束の中で踊るようにチューニングを施したのだ。
Lucrecia Daltの作曲に対する内省的なアプローチは、2020年の魅惑的なアルバム『No era sólida』で初めて表面化し、『¡Ay!』では彼女が子供の頃に吸収した音楽ジャンルの無意識的なスペクトルを屈折させている。ボレロ、マンボ、サルサ、メレンゲなど、自身の幼少期を彩った宝物のようなサウンドとシンコペーションが本作で覚醒し、アルバムの輪郭を輝かせている。この音楽の直感的なメロディー構造は、記憶とモジュラー・シンセによって構築され、創作の原点となる蜃気楼へと導き、彼女が常に作りたかったアルバムへと到達させた。
『¡Ay!』は前作『No era sólida』や2018年のアルバム『Anticlines』で探求したように、簡単に定義されたエッジを拡散し、ダルトの特徴である機械的な歪みの暖かさでろ過された、豊かな音響テクスチャのティンクチャーである。アップライト・ベース、管楽器アンサンブル、魔術のような鮮やかなブラスが、放射状のリズムを横切って蒸留されたハーモニック・モチーフの煌めきを形成している。Lucreciaは友人でありコラボレーターのAlex Lázaroと緊密に協力し、スローダウンしたトゥンバオとボレロ・パーカッション・パターンの新しい形と色を開拓した。彼らは伝統的なドラムキットを分解し、コンガ、ボンゴ、テンプルブロック、ティンバレスなどを蛇行させ、ルクレシアの明晰なヴォーカルの束の中で踊るようにチューニングを施したのだ。
01. No tiempo
02. El Galatazó
03. Atemporal
04. Dicen
05. Contenida
06. La Desmesura
07. Gena
08. Bochinche
09. Enviada
10. Epílogo
LUCRECIA DALT:
コロンビア出身で現在はベルリンに在住のエクスペリメンタル・アーティスト。哲学、映画、神話、未来のテクノロジーに影響を受けた実験的なエレクトロニック・ミュージックを制作している。2009年の『Congost』(その時の名義はSound of Lucrecia)など、彼女の初期のアルバムは歌詞と曲構成に重点が置かれていたが、2013年の『Syzygy』や2018年の『Anticlines』など近年の作品は、彼女の朧げなヴォーカルが流動的で異質なサウンドスケープに溶け込んだ、ぐっと抽象的でシュールなサウンドへとシフトしている。
かつてダルトは地質学を学び、土木技師として働いていたが、その後音楽の道に進むことを決めた。彼女の最初のリリースは、ファースト・ネームのLucreciaのみの名義でのアンビエント・シンセ・ポップ・アルバム『Acerca』で、2005年にコロンビアのコレクティヴ・シリーズからリリースされた。その後、2007年のEP『Like Being Home』をリリース。コロンビアの音楽シーンに限界を感じていた彼女は、より芸術的なキャリアを積むためにバルセロナに移住。そこでMonika Enterpriseの創始者であるGudrun Gutとの出会いを経て、Julia Holter、Liz Christine、Manekinekodと共に、『4 Women No Cry, Vol.3』に4曲を提供した。そして先述した『Congost 』をSound of Lucrecia名義で2009年にリリースし、後にフルネームで復刻された。
その後2011年にF.S. BlummとのコラボレーションによるデジタルEP『Cuatro Covers』をリリース。2012年にはダークでドリーミーな作品『Commotus』をHuman Ear Musicからリリースし、2013年にはさらにストレンジな作品『Syzygy』をリリース。2014年にはNicolas Jaar主宰のOther Peopleからセルフ・タイトルのEPがリリースされた。2015年からはベルリンに拠点を移し、ドイツのエクスペリメンタル・レーベルCare of Editionsから『Ou』と題した限定LPをリリース。その後、ダルトはインダストリアル・テクノ・デュオThese Hidden Handsが2016年に発表した12インチ『These Moments Dismantled』に客演している。2018年に現在のレーベルであるNYのRVNG Intl.に籍を移し『Anticlines』、続けて2020年には『No era sólida』を発表し、Pitchforkなど様々なメディアでも高い評価を得た。
ソロ音楽の範囲を超えて、学際的なコラボレーションをしており、彼女のサウンドワークは多くの没入型プロジェクトやオーディオヴィジュアル・プロジェクトに貢献している。サウンドトラックの制作も手掛けており、2021年に映画『Catábasis』(監督:Regina de Miguel)と『The Seed』(監督:Sam Walker)のオリジナル・スコアを作曲し、2022年にInvada RecordsとRVNG Intl.からリリースされたHBOシリーズ『The Baby』のスコアも作曲している。また、彼女のプロジェクトには、2018年にRegina de Miguel、Ania Nowakと共演したパフォーマンス『V.I.T.R.I.O.L.』、Mies van der Rohe Pavilion(Sonar Festival 2019)で発表したCamille Mandoki、Sarah Winters、Jordi Salvadó とのサウンドインスタレーション『Dazwischen』とベルリン植物園(CTM, 2020)で発表した『You Will Go Away One Day But I Will Not』と、Maria Thereza Alvesとの『Dazwischen』がある。また、最近、Aina Climent、Judit J. Ferrer、Miguel Pradoと共同でオーディオヴィジュアル・エッセイ『Pedis Possessio』(Jump Cut / CTM, 2022年)の制作を委託されている。
コロンビア出身で現在はドイツはベルリンをベースに活動しているエクスペリメンタル・アーティスト、Lucrecia Daltが10/14にリリースする2020年の『No era sólida』以来となる新作にして、RVNG Intl.に移籍してから3作目となる新作アルバム『¡Ay!』からサード・シングル「Dicen」がリリース、同時にミュージック・ビデオも公開されました。
「Dicen」のミュージック・ビデオはLucrecia Daltの分身プレタが、自分の体が水に溶けることを発見するという内容。
「まあ、プレタは自分の体が水に溶けることも知らなかったし、鏡文字で喋れることも知らなかったんだけどね。今回を含め、この部分に見られる未解決の謎は(純粋に化学的なものに過ぎないが)、「Triángulo del silencio」事件に分類される可能性が高いだろう。」とLucreciaはコメントし、
曲について「パンデミックの間、私はアップセッターズとハリー・ベラフォンテのカリプソアルバムをよく聴いていました。ベラフォンテのヴォーカルのハーモニー、「Return of Django」のテープ・ディストーションとフィーリング、これらすべてをボレロ・パターンに組み込み、さらにヴォーカルを操作して、これらの世界のいくつかの特質を一緒にしようとした結果がこの「Dicen」です。」
Created by Aina Climent and Lucrecia Dalt
Cinematography Aina Climent
Written by Lucrecia Dalt
Text intro by Miguel Prado and Lucrecia Dalt
Camera Aina Climent
Editor Lucrecia Dalt
Costume design Lucrecia Dalt
Colourist Lita Bosch
Lucrecia Dalt New Album “¡Ay!” 10/14 release
Artist: Lucrecia Dalt
Title: ¡Ay!
Label: PLANCHA / RVNG Intl. Cat#: ARTPL-176
Format: CD / Digital
※日本独自CD化
※ボーナス・トラック1曲収録
※解説・歌詞・対訳付き
Release Date: 2022.10.14
Price(CD): 2,200 yen + tax
Lucrecia Daltの作曲に対する内省的なアプローチは、2020年の魅惑的なアルバム『No era sólida』で初めて表面化し、『¡Ay!』では彼女が子供の頃に吸収した音楽ジャンルの無意識的なスペクトルを屈折させている。ボレロ、マンボ、サルサ、メレンゲなど、自身の幼少期を彩った宝物のようなサウンドとシンコペーションが本作で覚醒し、アルバムの輪郭を輝かせている。この音楽の直感的なメロディー構造は、記憶とモジュラー・シンセによって構築され、創作の原点となる蜃気楼へと導き、彼女が常に作りたかったアルバムへと到達させた。
『¡Ay!』は前作『No era sólida』や2018年のアルバム『Anticlines』で探求したように、簡単に定義されたエッジを拡散し、ダルトの特徴である機械的な歪みの暖かさでろ過された、豊かな音響テクスチャのティンクチャーである。アップライト・ベース、管楽器アンサンブル、魔術のような鮮やかなブラスが、放射状のリズムを横切って蒸留されたハーモニック・モチーフの煌めきを形成している。Lucreciaは友人でありコラボレーターのAlex Lázaroと緊密に協力し、スローダウンしたトゥンバオとボレロ・パーカッション・パターンの新しい形と色を開拓した。彼らは伝統的なドラムキットを分解し、コンガ、ボンゴ、テンプルブロック、ティンバレスなどを蛇行させ、ルクレシアの明晰なヴォーカルの束の中で踊るようにチューニングを施したのだ。
01. No tiempo
02. El Galatazó
03. Atemporal
04. Dicen
05. Contenida
06. La Desmesura
07. Gena
08. Bochinche
09. Enviada
10. Epílogo
+ボーナス・トラック収録予定
LUCRECIA DALT:
コロンビア出身で現在はベルリンに在住のエクスペリメンタル・アーティスト。哲学、映画、神話、未来のテクノロジーに影響を受けた実験的なエレクトロニック・ミュージックを制作している。2009年の『Congost』(その時の名義はSound of Lucrecia)など、彼女の初期のアルバムは歌詞と曲構成に重点が置かれていたが、2013年の『Syzygy』や2018年の『Anticlines』など近年の作品は、彼女の朧げなヴォーカルが流動的で異質なサウンドスケープに溶け込んだ、ぐっと抽象的でシュールなサウンドへとシフトしている。
かつてダルトは地質学を学び、土木技師として働いていたが、その後音楽の道に進むことを決めた。彼女の最初のリリースは、ファースト・ネームのLucreciaのみの名義でのアンビエント・シンセ・ポップ・アルバム『Acerca』で、2005年にコロンビアのコレクティヴ・シリーズからリリースされた。その後、2007年のEP『Like Being Home』をリリース。コロンビアの音楽シーンに限界を感じていた彼女は、より芸術的なキャリアを積むためにバルセロナに移住。そこでMonika Enterpriseの創始者であるGudrun Gutとの出会いを経て、Julia Holter、Liz Christine、Manekinekodと共に、『4 Women No Cry, Vol.3』に4曲を提供した。そして先述した『Congost 』をSound of Lucrecia名義で2009年にリリースし、後にフルネームで復刻された。
その後2011年にF.S. BlummとのコラボレーションによるデジタルEP『Cuatro Covers』をリリース。2012年にはダークでドリーミーな作品『Commotus』をHuman Ear Musicからリリースし、2013年にはさらにストレンジな作品『Syzygy』をリリース。2014年にはNicolas Jaar主宰のOther Peopleからセルフ・タイトルのEPがリリースされた。2015年からはベルリンに拠点を移し、ドイツのエクスペリメンタル・レーベルCare of Editionsから『Ou』と題した限定LPをリリース。その後、ダルトはインダストリアル・テクノ・デュオThese Hidden Handsが2016年に発表した12インチ『These Moments Dismantled』に客演している。2018年に現在のレーベルであるNYのRVNG Intl.に籍を移し『Anticlines』、続けて2020年には『No era sólida』を発表し、Pitchforkなど様々なメディアでも高い評価を得た。
ソロ音楽の範囲を超えて、学際的なコラボレーションをしており、彼女のサウンドワークは多くの没入型プロジェクトやオーディオヴィジュアル・プロジェクトに貢献している。サウンドトラックの制作も手掛けており、2021年に映画『Catábasis』(監督:Regina de Miguel)と『The Seed』(監督:Sam Walker)のオリジナル・スコアを作曲し、2022年にInvada RecordsとRVNG Intl.からリリースされたHBOシリーズ『The Baby』のスコアも作曲している。また、彼女のプロジェクトには、2018年にRegina de Miguel、Ania Nowakと共演したパフォーマンス『V.I.T.R.I.O.L.』、Mies van der Rohe Pavilion(Sonar Festival 2019)で発表したCamille Mandoki、Sarah Winters、Jordi Salvadó とのサウンドインスタレーション『Dazwischen』とベルリン植物園(CTM, 2020)で発表した『You Will Go Away One Day But I Will Not』と、Maria Thereza Alvesとの『Dazwischen』がある。また、最近、Aina Climent、Judit J. Ferrer、Miguel Pradoと共同でオーディオヴィジュアル・エッセイ『Pedis Possessio』(Jump Cut / CTM, 2022年)の制作を委託されている。
コロンビア出身で現在はドイツはベルリンをベースに活動しているエクスペリメンタル・アーティスト、Lucrecia Daltが10/14にリリースする2020年の『No era sólida』以来となる新作にして、RVNG Intl.に移籍してから3作目となる新作アルバム『¡Ay!』からセカンド・シングル「Atemporal」がリリース、同時にミュージック・ビデオも公開されました。
『No era sólida』(2020年)や『Anticlines』(2018年)でも見せていたリリースという器の中で物語やキャラクターをシュールレアリスティックに探求するアプローチが本作でも踏襲されています。先のシングル「No tiempo」のビデオでは、アルバムの中心人物であるプレタという地球に降り立った宇宙人が、クック・クレメンティという地球人と初めて出会う様子が紹介れましたが、セカンド・シングルとなる「Atemporal」ではクックがプレタの作った”No Time”という異常事態を体験しています。スモーキーな歌詞によってプレタに意識が吹き込まれ、『¡Ay!』の音楽的地質を歩き回り、岩の永遠性の中に自分自身を認識する。山中で蛇に惑わされつつも、クックはプレタにその感覚を説明しようとします。
Director: Aina Climent
Producer and Writer: Lucrecia Dalt
Creative team: Aina Climent, Alex Lázaro, Judit J. Ferrer, Lucrecia Dalt, Miguel Prado
Script: Lucrecia Dalt
Script supervision: Miguel Prado
Text intro: Miguel Prado
Cinematography and camera: Aina Climent
Editors: Aina Climent and Lucrecia Dalt
Performer: Judit J. Ferrer
Costume design: Lucrecia Dalt
Hair and Make up: Lucrecia Dalt
Colorist: Lita Bosch
Special effects: Alessandra Leone
Lights advisor and provider: Yalda Younes
Lucrecia Dalt New Album “¡Ay!” 10/14 release
Artist: Lucrecia Dalt
Title: ¡Ay!
Label: PLANCHA / RVNG Intl. Cat#: ARTPL-176
Format: CD / Digital
※日本独自CD化
※ボーナス・トラック1曲収録
※解説・歌詞・対訳付き
Release Date: 2022.10.14
Price(CD): 2,200 yen + tax
Lucrecia Daltの作曲に対する内省的なアプローチは、2020年の魅惑的なアルバム『No era sólida』で初めて表面化し、『¡Ay!』では彼女が子供の頃に吸収した音楽ジャンルの無意識的なスペクトルを屈折させている。ボレロ、マンボ、サルサ、メレンゲなど、自身の幼少期を彩った宝物のようなサウンドとシンコペーションが本作で覚醒し、アルバムの輪郭を輝かせている。この音楽の直感的なメロディー構造は、記憶とモジュラー・シンセによって構築され、創作の原点となる蜃気楼へと導き、彼女が常に作りたかったアルバムへと到達させた。
『¡Ay!』は前作『No era sólida』や2018年のアルバム『Anticlines』で探求したように、簡単に定義されたエッジを拡散し、ダルトの特徴である機械的な歪みの暖かさでろ過された、豊かな音響テクスチャのティンクチャーである。アップライト・ベース、管楽器アンサンブル、魔術のような鮮やかなブラスが、放射状のリズムを横切って蒸留されたハーモニック・モチーフの煌めきを形成している。Lucreciaは友人でありコラボレーターのAlex Lázaroと緊密に協力し、スローダウンしたトゥンバオとボレロ・パーカッション・パターンの新しい形と色を開拓した。彼らは伝統的なドラムキットを分解し、コンガ、ボンゴ、テンプルブロック、ティンバレスなどを蛇行させ、ルクレシアの明晰なヴォーカルの束の中で踊るようにチューニングを施したのだ。
01. No tiempo
02. El Galatazó
03. Atemporal
04. Dicen
05. Contenida
06. La Desmesura
07. Gena
08. Bochinche
09. Enviada
10. Epílogo
+ボーナス・トラック収録予定
LUCRECIA DALT:
コロンビア出身で現在はベルリンに在住のエクスペリメンタル・アーティスト。哲学、映画、神話、未来のテクノロジーに影響を受けた実験的なエレクトロニック・ミュージックを制作している。2009年の『Congost』(その時の名義はSound of Lucrecia)など、彼女の初期のアルバムは歌詞と曲構成に重点が置かれていたが、2013年の『Syzygy』や2018年の『Anticlines』など近年の作品は、彼女の朧げなヴォーカルが流動的で異質なサウンドスケープに溶け込んだ、ぐっと抽象的でシュールなサウンドへとシフトしている。
かつてダルトは地質学を学び、土木技師として働いていたが、その後音楽の道に進むことを決めた。彼女の最初のリリースは、ファースト・ネームのLucreciaのみの名義でのアンビエント・シンセ・ポップ・アルバム『Acerca』で、2005年にコロンビアのコレクティヴ・シリーズからリリースされた。その後、2007年のEP『Like Being Home』をリリース。コロンビアの音楽シーンに限界を感じていた彼女は、より芸術的なキャリアを積むためにバルセロナに移住。そこでMonika Enterpriseの創始者であるGudrun Gutとの出会いを経て、Julia Holter、Liz Christine、Manekinekodと共に、『4 Women No Cry, Vol.3』に4曲を提供した。そして先述した『Congost 』をSound of Lucrecia名義で2009年にリリースし、後にフルネームで復刻された。
その後2011年にF.S. BlummとのコラボレーションによるデジタルEP『Cuatro Covers』をリリース。2012年にはダークでドリーミーな作品『Commotus』をHuman Ear Musicからリリースし、2013年にはさらにストレンジな作品『Syzygy』をリリース。2014年にはNicolas Jaar主宰のOther Peopleからセルフ・タイトルのEPがリリースされた。2015年からはベルリンに拠点を移し、ドイツのエクスペリメンタル・レーベルCare of Editionsから『Ou』と題した限定LPをリリース。その後、ダルトはインダストリアル・テクノ・デュオThese Hidden Handsが2016年に発表した12インチ『These Moments Dismantled』に客演している。2018年に現在のレーベルであるNYのRVNG Intl.に籍を移し『Anticlines』、続けて2020年には『No era sólida』を発表し、Pitchforkなど様々なメディアでも高い評価を得た。
ソロ音楽の範囲を超えて、学際的なコラボレーションをしており、彼女のサウンドワークは多くの没入型プロジェクトやオーディオヴィジュアル・プロジェクトに貢献している。サウンドトラックの制作も手掛けており、2021年に映画『Catábasis』(監督:Regina de Miguel)と『The Seed』(監督:Sam Walker)のオリジナル・スコアを作曲し、2022年にInvada RecordsとRVNG Intl.からリリースされたHBOシリーズ『The Baby』のスコアも作曲している。また、彼女のプロジェクトには、2018年にRegina de Miguel、Ania Nowakと共演したパフォーマンス『V.I.T.R.I.O.L.』、Mies van der Rohe Pavilion(Sonar Festival 2019)で発表したCamille Mandoki、Sarah Winters、Jordi Salvadó とのサウンドインスタレーション『Dazwischen』とベルリン植物園(CTM, 2020)で発表した『You Will Go Away One Day But I Will Not』と、Maria Thereza Alvesとの『Dazwischen』がある。また、最近、Aina Climent、Judit J. Ferrer、Miguel Pradoと共同でオーディオヴィジュアル・エッセイ『Pedis Possessio』(Jump Cut / CTM, 2022年)の制作を委託されている。
Lucrecia Daltの作曲に対する内省的なアプローチは、2020年の魅惑的なアルバム『No era sólida』で初めて表面化し、『¡Ay!』では彼女が子供の頃に吸収した音楽ジャンルの無意識的なスペクトルを屈折させている。ボレロ、マンボ、サルサ、メレンゲなど、自身の幼少期を彩った宝物のようなサウンドとシンコペーションが本作で覚醒し、アルバムの輪郭を輝かせている。この音楽の直感的なメロディー構造は、記憶とモジュラー・シンセによって構築され、創作の原点となる蜃気楼へと導き、彼女が常に作りたかったアルバムへと到達させた。
『¡Ay!』は前作『No era sólida』や2018年のアルバム『Anticlines』で探求したように、簡単に定義されたエッジを拡散し、ダルトの特徴である機械的な歪みの暖かさでろ過された、豊かな音響テクスチャのティンクチャーである。アップライト・ベース、管楽器アンサンブル、魔術のような鮮やかなブラスが、放射状のリズムを横切って蒸留されたハーモニック・モチーフの煌めきを形成している。Lucreciaは友人でありコラボレーターのAlex Lázaroと緊密に協力し、スローダウンしたトゥンバオとボレロ・パーカッション・パターンの新しい形と色を開拓した。彼らは伝統的なドラムキットを分解し、コンガ、ボンゴ、テンプルブロック、ティンバレスなどを蛇行させ、ルクレシアの明晰なヴォーカルの束の中で踊るようにチューニングを施したのだ。
01. No tiempo
02. El Galatazó
03. Atemporal
04. Dicen
05. Contenida
06. La Desmesura
07. Gena
08. Bochinche
09. Enviada
10. Epílogo
+ボーナス・トラック収録予定
LUCRECIA DALT:
コロンビア出身で現在はベルリンに在住のエクスペリメンタル・アーティスト。哲学、映画、神話、未来のテクノロジーに影響を受けた実験的なエレクトロニック・ミュージックを制作している。2009年の『Congost』(その時の名義はSound of Lucrecia)など、彼女の初期のアルバムは歌詞と曲構成に重点が置かれていたが、2013年の『Syzygy』や2018年の『Anticlines』など近年の作品は、彼女の朧げなヴォーカルが流動的で異質なサウンドスケープに溶け込んだ、ぐっと抽象的でシュールなサウンドへとシフトしている。
かつてダルトは地質学を学び、土木技師として働いていたが、その後音楽の道に進むことを決めた。彼女の最初のリリースは、ファースト・ネームのLucreciaのみの名義でのアンビエント・シンセ・ポップ・アルバム『Acerca』で、2005年にコロンビアのコレクティヴ・シリーズからリリースされた。その後、2007年のEP『Like Being Home』をリリース。コロンビアの音楽シーンに限界を感じていた彼女は、より芸術的なキャリアを積むためにバルセロナに移住。そこでMonika Enterpriseの創始者であるGudrun Gutとの出会いを経て、Julia Holter、Liz Christine、Manekinekodと共に、『4 Women No Cry, Vol.3』に4曲を提供した。そして先述した『Congost 』をSound of Lucrecia名義で2009年にリリースし、後にフルネームで復刻された。
その後2011年にF.S. BlummとのコラボレーションによるデジタルEP『Cuatro Covers』をリリース。2012年にはダークでドリーミーな作品『Commotus』をHuman Ear Musicからリリースし、2013年にはさらにストレンジな作品『Syzygy』をリリース。2014年にはNicolas Jaar主宰のOther Peopleからセルフ・タイトルのEPがリリースされた。2015年からはベルリンに拠点を移し、ドイツのエクスペリメンタル・レーベルCare of Editionsから『Ou』と題した限定LPをリリース。その後、ダルトはインダストリアル・テクノ・デュオThese Hidden Handsが2016年に発表した12インチ『These Moments Dismantled』に客演している。2018年に現在のレーベルであるNYのRVNG Intl.に籍を移し『Anticlines』、続けて2020年には『No era sólida』を発表し、Pitchforkなど様々なメディアでも高い評価を得た。
ソロ音楽の範囲を超えて、学際的なコラボレーションをしており、彼女のサウンドワークは多くの没入型プロジェクトやオーディオヴィジュアル・プロジェクトに貢献している。サウンドトラックの制作も手掛けており、2021年に映画『Catábasis』(監督:Regina de Miguel)と『The Seed』(監督:Sam Walker)のオリジナル・スコアを作曲し、2022年にInvada RecordsとRVNG Intl.からリリースされたHBOシリーズ『The Baby』のスコアも作曲している。また、彼女のプロジェクトには、2018年にRegina de Miguel、Ania Nowakと共演したパフォーマンス『V.I.T.R.I.O.L.』、Mies van der Rohe Pavilion(Sonar Festival 2019)で発表したCamille Mandoki、Sarah Winters、Jordi Salvadó とのサウンドインスタレーション『Dazwischen』とベルリン植物園(CTM, 2020)で発表した『You Will Go Away One Day But I Will Not』と、Maria Thereza Alvesとの『Dazwischen』がある。また、最近、Aina Climent、Judit J. Ferrer、Miguel Pradoと共同でオーディオヴィジュアル・エッセイ『Pedis Possessio』(Jump Cut / CTM, 2022年)の制作を委託されている。