Author: PLANCHA

TOBACCOの10/30リリースとなる4作目となるニュー・アルバム『Hot Wet & Sassy』から新たな先行シングル「Headless to Headless」が公開


Black Moth Super Rainbowのフロントマンでもある、ペンシルバニアのエクスペリメンタルアーティスト、Tom Fecのレコーディング・プロジェクト、TOBACCOの10/30リリースとなる4作目となるニュー・アルバム『Hot Wet & Sassy』から新たな先行シングル「Headless to Headless」が公開されました。

TOBACCO – Headless to Headless
https://youtu.be/AI9KquxWdns

 

New Album『Hot Wet & Sassy』は10/30日発売

Artist: TOBACCO
Title: Hot Wet & Sassy
Label: PLANCHA / Ghostly International
Cat#: ARTPL-141 / GI-366J
Format: CD(国内流通仕様盤)
Release Date: 2020.10.30
Price(CD): 2,000yen + tax

ペンシルバニアのエクスペリメンタルアーティスト、Tom Fecのレコーディング・プロジェクト、TOBACCOの4作目となるニュー・アルバム『Hot Wet & Sassy』!
前作リリース後NINE INCH NAILSとのツアーを経て、本作にはなんとトレント・レズナー参加!
より洗練されて蒸留されたTABACCO節で、紛れもないフックを強烈な正確さで叩き、リスナーをその魔手に引きずり込んでいく強力作。

元々はエレクトロ・サイケデリック・バンドBlack Moth Super Rainbowのメンバーでもあるペンシルバニアのエクスペリメンタル・アーティスト、Tom Fecのレコーディング・ソロ・プロジェクト、TOBACCOの4年ぶりの新作。前作『Sweatbox Dynasty』のリリース以降、ナイン・インチ・ネイルズとのツアー、HBOシリーズ「シリコンバレー」へのテーマ曲提供、Aesop Rockとのコラボ・アルバム「Malibu Ken」など、着実にプロップスを上げる活動をし、再びGhostly Internationalへと戻ってきての新作。これまでで最も遊び心があって親しみやすい印象のフル・レングスで、アンチラブの概念、自己嫌悪、他人への失望などを表現している。

噴き出すようなベース、アナログシンセ、ドラムマシン、そしてTOBACCO独特のゴリゴリのアナログ感など、ポップな衝動が彼のサウンドの表面下には常に押し寄せていたが、本作ではそれらの衝動が頂点に達している。

Fec曰く「自分のやっていることに最も磨きをかけることができたと感じている」「過去10年間、僕の肩には、構造やメロディの部分を切り取ってしまうようなマザーファッカーが乗っかっていたんだ。それはSweatboxでピークを迎えた。今回は逆のことをしたかった 真っ二つに裂かずに曲を書くこと。”Butthole Surfersならどうするか?”から “Cyndi Lauperならどうするか?”になったんだ」とFecは言う。
そして「トレント・レズナーならどうするか?」彼はトレント・レズナーとコラボすることでその答えを直接見つけた。(TOBACCOはナイン・インチ・ネイルズとツアーのサポート・アクトに抜擢されるなど、その実力をかわれている)彼らのコラボレーション・トラック 「Babysitter」は、彼らの声を融合させて一つ狂気を作り出した。”私は新しいベビーシッターです”と彼らは警告し、恐ろしいほどに神聖なブリッジへと移行していく。トラックはトム・フィルの上を転がり、シンセ・ラインがドラムとフィードバックの不協和音に切り裂かれ、リビングルームのカーペットを芝刈り機がかじるような音を響かせている。”これは僕にとって初めてのことだったんだけど、僕が今までやってきたこと、そして今までの僕の全てを表現した曲を書きたかったんだ。トレントはその一歩先を行ってくれたんだ」とFecは付け加えている。このコラボレーションは、TOBACCOのトレードマークとトレントのインダストリアル・サビとソニック・ゴアをシームレスに融合させた錬金術のようなトラックである。

落ち込んでいるようで誠実で、うっとりするようなTABACCO流バラード 「Jinmenken」をみせたり、オープニング「Centaur Skin」ドリーミーでメロディックな煌めきと、不吉なトーンとスライムを掛け合わせた、TOBACCOのオリジナル・スタイルを表現している。これは消化しやすくなったと同時に、より強力なものになっている。疾走感のあるアルペジオに乗って、ダークな内省と結晶のようなシンセ・サウンドのソロへの踏み台となっている。

TOBACCOは変化した訳ではないが、より洗練されて蒸留されている。より明るく、鋭く、危険な作品になった。日よけなしで太陽を見つめ、角膜がローストされ視力が衰えてくると、すべてが良く見えてくるようなポップな構造で、紛れもないフックを強烈な正確さで叩き、リスナーをその魔手に引きずり込んでいく。

TRACK LIST:
01. Centaur Skin
02. Pit
03. Headless to Headless
04. Stabbed by a Knight
05. Chinese Aquarius
06. ASS-TO-TRUTH
07. Jinmenken
08. Babysitter (feat. Trent Reznor)
09. Road Warrior Pisces
10. Poisonous Horses
11. Mythemim
12. Body Double
13. Motherfuckers 64
14. Perfect Shadow

 

TOBACCO:
ペンシルバニアのエクスペリメンタルアーティスト、Tom Fecのレコーディング・プロジェクト。エレクトロ・サイケデリック・バンドBlack Moth Super Rainbowでダークでビート中心の分派として登場して以来、TOBACCOは完全に独自のものへと変貌を遂げてきた。過去20年間、Fecの私生活を謎に包まれており、音楽にのみ焦点を当て続けてきた。アンチコンからの2008年に『Fucked Up Friends』を、そして2010年の同レーベルから『Maniac Meat』をリリースし、その後Ghostly INternatinalへと移籍し『Ultima II Massage』、そしてテープデッキにダメージを受けた2016年の『Sweatbox Dynasty』をリリースしてきた。そして再びGhostlyからのリリースとなる最新作が本作「Hot Wet & Sassy」。
TOBACCOはNine Inch Nailsとのツアー、HEALTHやWhite Zombieのリミックス、HBOシリーズ「Silicon Valley」のテーマ曲提供、BeckからAesop Rockまでをプロデュース、2019年にはMalibu Kenとして後者とのコラボアルバムをリリースするなど、多岐に渡る活動をしている。Fecがミュージシャンとしての彼のマークをどこに着地させても不気味だ。Boards of Canadaや初期のDef Jamのレコード、Gary Numan、あるいはパブリックアクセスのテレビや80年代のホラー映画の悪いVHSのダビングなど、体の一部を切り取ったような音が聞こえてくる。あるいは、太陽が爆発して、今まで愛してきたものが溶けてしまうような瞬間も垣間見え、結局、TOBACCOは瞑想音楽を作ろうとしているだけなのかもしれない。カテゴライズ不可能な現代の異才のひとり。


Kate NVが最新作『Room for the Moon』から「Lu Na」のミュージック・ビデオを公開!

一昨年の初の単独来日ツアー、昨年浜離宮恩賜庭園で開催された花紅柳緑(RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2019)への出演も話題となった、ロシアはモスクワをベースに活動する折衷的エクスペリメンタル・ポップ・アーティスト、Kate Shilonosovaによるソロ・プロジェクト、Kate NVの6/12リリースされ、各所で高い評価を得ている新作『Room for the Moon』からRed Bull Music Academyで親交の深い仙台拠点のサウンド・アーティスト、Nami Satoの日本語のスポークン・ワードをフィーチャーした 「Lu Na」のミュージック・ビデオが公開されました。

ディレクターはGina Onegina。このビデオはテレビのパフォーマンスやショーのような演出がされています。サミュエル・ベケットのパフォーマンス「Quad」からインスピレーションを得て、ケイトの遊び心あふれるイマジネーションが発揮されています。この反復のダンサーたちは、無邪気な猫たちのようにファジーな色調で、ノスタルジアとサイケデリアの境界線を曖昧にしています。

ケイトはビデオで次のように述べています。「ルナは元々、猫が1つずつ正方形を歩く単純なパターンである1つの繰り返しループで構成されるダンスクリップとして計画されていました。このパターンは非常にインスピレーションを得ており、私が大好きなベケットの作品「クワッド」に基づいています。もともと私は、猫が歩いている間、ゆっくりと太陽が後ろに現れるようにしたかったのです。すべてのダンサーは素晴らしかったです、彼らはそれらの猫のキャラクターにとても多くの生命をもたらしました!」



Kate NV – Lu Na (Official Video)
https://youtu.be/mmbYo7ZLqck

Director: Gina Onegina
Story: Kate Shilonosova
DOP: Konstantin Mazov
Producers: Natalie Yurchenko, Marina Adyrkhaeva
Edit: Kate Shilonosova
Choreography: Sasha Pertsev
Cats: Tanya Melnikova, Jenya Beglyakova, Albina Vahitova, Arina Popova
1 AC: Alexander Privalov
Camera operator: Maks Kleonov
Gaffer: Pavel Brukh
Assistant producer: Alexey Ustinov
Production designer: Nastasia Sergeevna
Assistant production designer: Alyona Shapovalova
Costume Designer: Andreeva Lucya
Makeup: Julia Rada
Hair: Maxett
Assistant makeup: Ekaterina Rasina

 

NEW ALBUM “Room for the Moon” NOW ON SALE


Artist: Kate NV
Title: Room for the Moon
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL-134
Format: CD / Digital
※解説・歌詞・対訳付き予定
※ボーナス・トラック収録
※CDリリースは日本のみ
Release Date: 2020.06.12
Price(CD): 2,000 yen + tax

ロシアはモスクワをベースに活動する折衷的エクスペリメンタル・ポップアーティスト、Kate Shilonosovaによるソロ・プロジェクト、Kate NVの待望の新作『Room for the Moon』が再びRVNG Intl.から登場!
自身のルーツである70年代〜80年代のロシアと日本のポップスからの影響をベースにしつつ、Orange Milk Recordsからリリースした『BINASU』のポップ・センスと、RVNGからリリースした『для FOR』で見せたアンビエント〜ミニマル〜ニューエイジが見事なバランスで融合した傑作誕生!
先行シングル「Sayonara」はPitchforkのベスト・ニュー・トラックに選出!

通算3作目となる『Room for the Moon(月の部屋)』は2018年にリリースした『для FOR』以来となる本作は実のところ『для FOR』の前から制作をし始めていたものの形にはならず、時を経てようやく形になったとのこと。

自宅とモスクワのスタジオスペースにて録音されており、長年のコラボレーターであるJenya Gorbunov(ベース)、Vladimir Luchanskiy(サックス)、Quinn Oulton(ベース/サックス)に加え、共にRed Bull Music Academy出身で交流の深い日本人アーティスト、Nami Sato(スポークン・ワード)等の協力のもと完成した。

70年代〜80年代のロシアと日本のポップ・ミュージック&映画からの影響が色濃い本作は、Orange Milk Recordsからリリースした『BINASU』のポップ・センスと、RVNGからリリースした『для FOR』で見せたアンビエント〜ミニマル〜ニューエイジが見事なバランスで融合している。

小気味良いシンセとサックスにコロコロとしたシンセと軽やかなヴォーカルが絡む「Not Not Not」で幕を開け、シンセとマレット、マリンバを基調にした牧歌的ミニマル「Du Na」へと続く。Pitchforkでベスト・ニュー・トラックに選出され絶賛された「Sayonara」はケイト・ブッシュとも比較される飛躍的なヴォーカルにエッジーなギター、タッピング・ドラムを絡めて駆け上がっていくような極上のシンセ・ポップ。歌詞も英語、日本語、ロシア語がミックスされている。フランス語の歌詞で実験的ながら楽しげな「Ça Commence Par」やFound Sound Nationの「Broken Orchestra」サンプルパックのサンプルのみを使用して、サックス・ソロを作成したという「Plans」、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番からメロディーを借用した「Tea」、パーティへと誘うかのうようなアップテンポなポップ・ソング「Telefon」など、豊かな実験精神とポップ・センスに裏打ちされたヴァラエティに富んだ内容。

様々なルーツと要素を折衷させ独自解釈したその幻想的サウンドを生成し、Lizzy Mercier Desclouxや矢野顕子、Ann Steelまでを彷彿/横断する稀有な存在。その圧倒的才能がさらに開花した傑作の誕生。

TRACK LIST:

Japanese CD version:
01. Not Not Not
02. Du Na
03. Sayonara (Full Moon Version)
04. Ça Commence Par
05. Marafon 15
06. Tea
07. Lu Na
08. Plans
09. If Anyone’s Sleepy
10. Telefon
11. Sayonara (Single Edit)
12. Tea (Small Sip Edit)
13. Arigato song (Bonus Track for Japan)

Japanese digital:
01. Not Not Not
02. Du Na
03. Sayonara (Full Moon Version)
04. Ça Commence Par
05. Marafon 15
06. Tea
07. Lu Na
08. Plans
09. If Anyone’s Sleepy
10. Telefon
11. Arigato song (Bonus Track for Japan)

 


KATE NV:

ロシアはモスクワをベースに活動しているプロデューサー/DJ/演奏家/ヴォーカリスト、ケイト・シロノソヴァによるソロ・プロジェクト。元々はSonic YouthやDinosaur Jr.などに影響を受けたオルタナティヴ・ロック〜ポストパンク・バンド、Glintshakeのヴォーカルとして活動。また、同時に20世紀のクラシカルなミュージシャン達とCornelius Cardewのアイデアとアヴァンギャルドなコンポーズを再構築するMoscow Scratch Orchestraのメンバーでもある。それらと平行してソロとしてNVを始動させ、2014年にジャパニーズ・ポップスやニュージャックスウィング、90’s R&Bなどの影響を感じさせるEP『Pink Jungle』を発表し注目を集め、同年、Red Bull Music Academy Tokyoで初来日を果たす。2016年に待望のソロ・デビュー・フル・アルバム『Binasu』を2016年にGiant ClawとSeth Graham主宰の重要レーベル、Orange Milkからファースト・アルバム『BINASU』をリリース。各所で絶賛され、世界各国をライヴで飛び回る。その才能はエクスペリメンタル・ミュージック・シーンの最先鋭レーベルであるブリルックリンのRVNG Intl.の目にとまり、契約を果たし、2018年にセカンド・アルバム『для FOR』をリリースした。その後初の単独来日ツアーを成功させ、収録曲「вас YOU」は細野晴臣のラジオで2度に渡りプレイするなど、日本でも話題となり、浜離宮恩賜庭園で開催された花紅柳緑(RED BULL MUSIC FESTIVAL TOKYO 2019)への出演も果たした。2020年待望のサード・アルバムを完成。引き続き現代エクスペリメンタル・ミュージックの最先鋭レーベル、RVNG Intl.からリリースする。


PREP “Prep” [ARTPL-140]


Artist: PREP
Title: Prep
Cat#: ARTPL-140
Format: CD / Digital

※ボーナス・トラック2曲収録

※解説:高橋芳朗
※歌詞・対訳付き

Release Date: 2020.10.30
Price(CD): 2,000yen + tax


注目のロンドンのシティ・ポップ・バンドPREPが遂に待望の1stアルバムを完成。
EPのリリースのみながらアジア圏を中心に爆発的人気を博し、サマーソニック2019を含む2度の来日を果たすなど、大きな注目を集めるロンドンの4人組シティ・ポップ・バンド、PREPの待望のファースト・フルレングスにしてセルフ・タイトルのアルバム。

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Khotinのニュー・アルバム『Finds You Well』から「Groove 32」のミュージック・ビデオが公開

9/25にリリースとなりました、カナダはエドモントンのプロデューサー、Dylan Khotin-Footeによるソロ・プロジェクトKhotinのニュー・アルバム『Finds You Well』から「Groove 32」のミュージック・ビデオが公開されました。現在の拠点エドモントンに移る前のヴァンクーバー在住時代に撮影した良き思い出の断片で編集されたドキュメンタリー風の映像です。

Khotin – Groove 32 (Official Video)
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=ZM_yA0hYap4

 

NEW ALBUM “Finds You Well” 9/25 release

KHOTIN “Finds You Well” [ARTPL-137]

Artist: Khotin
Title: Finds You Well
Cat#: ARTPL-137
Format: CD
※日本独自CD化
※ボーナス・トラック1曲収録
※解説:柴崎祐二
Release Date: September 25, 2020
Price(CD): 2,200yen + tax


カナダはエドモントンのプロデューサー、Dylan Khotin-Footeによるソロ・プロジェクトKhotinの各所で絶賛されたローファイ・チルアウト名作『Beautiful You』以来の新作『Finds You Well』がGhostly Internatinalから登場。
心地よいビートにレトロ・テイストなシンセがおぼろげに融合しながらアンビエントとニュー・エイジを横断していくような至極のサウンド。
絶妙のバランス感でベッドルームとフロアを横断するチルアウト傑作。まるで牧歌的でまろやかなBoards of Canada!?

カナダはエドモントンのDylan Khotin-Footeによるソロ・プロジェクト、Khotinの通算4作目となるアルバムが早くも完成。
2014年にこのプロジェクトを始動させて以来、様々なサウンドを横断する、印象的でドリーミーなスタイルをアップデートしてきた逸材であり、そのアプローチは穏やかなシンセのアトモスフェリックなものからヒプノティックでダンサブルなものまで様々である。CFCFなどもリリースしているカナダの優良カセット・レーベル1080pからリリースしたデビュー作『Hello World』のゆるやかなローファイ・ハウス・サウンドが各所で注目を集め、アンビエントへと傾倒したセカンド作『New Tab』を2017年にセルフ・リリース(Pacific Rhythmがヴァイナル化し、日本ではScentがCD化)、そして2018年にリリースした『Beautiful You』で披露したノスタルジッックなチルアウト・サウンドが絶賛され(Resident Advisorで4.5点を獲得)、カセットは即完売。その後その才能に目をつけたGhostly Internationalとの契約へと至り、2019年にヴァイナル化されたものの、それも即完した。そして期待値が高まる中リリースされる通算4作目のアルバムが本作『Finds You Well』。前作でみせた至福でメランコリックなソングクラフトの続きであり、謙虚にそして温かく拡張されている。

10曲のトラックは、豊富なデモの中からセレクトされたもので、結果的にアクティブなものとアンビエントなもののがほぼ均等となった内容に仕上がっている。前半はビートを中心とした楽曲で、「Ivory Tower」は90年代後半のダウンテンポにインスパイアされており、スプリンクラーのようなブレイクビーツに中毒性に満ちたメロディックなシンセのフレーズが鏤められている。少し疾走感のあるビートが印象的な「Heavyball」へと続き、「Groove 32」ではファンキーなドラムとボンゴのブギーで始まり、タイトなベースライン、規則的なパッド、揺らめくメロディックなテクスチャー、絶妙なヴォーカル・サンプルが差し込まれ構築されていく。

中盤からはトーンが安定し、牧歌的なテイストとメランコリックな感覚がバランス良く調和したアンビエントへとシフト。有機的なテクスチャーが音を発しながら雲の中へと溶け込んでいくようなサウンドを展開している。先行シングルにもなった「WEM Lagoon Jump」は『子供がショッピングモールの2階のバルコニーからメインパビリオンの噴水に飛び込んだ』という地元の西エドモントンの民話を引用したものだという。Boards of Canadaを彷彿とさせるようなノスタルジックなシンセのフレーズと反復ビートを絡め、少し水しぶきを想起させるサウンドを展開。そしてアルバムのハイライトとも言える「Your Favorite Building」ではおぼろげなシンセのレイヤーにセンシティブなピアノ・フレーズを注ぎ描き出すエモーショナルなメロディの背後から、浮かび上がるように子供がそっと歌う「you must love the world because it’s wonderful(世界は素晴らしいから、あなたは世界を愛さなければならない)」が印象に残る。中盤から後半にかけてはやや変調させたくすんだピアノを駆使し、アップテンポな前半と、なめらかで少し感傷的な後半の対比をうまく表現している。

多彩な曲調をみせつつも抜群のバランス感で構築されており、現時点での最高傑作と言っても過言ではない。ベッドルームからフロアまでを横断する至極のチルアウト・サウンド。

CDリリースは日本のみ。ボーナス・トラック1曲収録。


TRACK LIST:

01. Processing
02. Ivory Tower
03. Heavyball
04. Groove 32
05. Outside In The Light
06. Lucky Egg
07. WEM Lagoon Jump
08. Your Favourite Building
09. Shopping List
10. My Toan
11. A Loving Blue (Bonus Track)

 

Khotin:

Photo by Lindsay Mcnab

Photo by Lindsay Mcnab

カナダはエドモントンを拠点に活動しているプロデューサー、Dylan Khotin-Footeによるソロ・プロジェクト。最初期はHappy Trendy名義で活動していたが、2014年にKhotinへと変名。様々なアーティストを輩出するカナダの優良カセット・レーベル1080pからファースト・アルバム『Hello World』をリリースして注目を集め、2015年にはMUTEK Montrealに出演。2017年には『New Tab』をセルフ・リリース(ヴァンクーバーのPacific Rhythmがヴァイナル化し、日本ではScentがCD化)にて発表した後、2018年に『Beautiful You』をリリース。各所で絶賛され、Ghostly Internationalとの契約と至る。そして翌年同レーベルからヴァイナルもリリースされた。
Khotinのアプローチは実に多彩で、穏やかなシンセのアトモスフェリックなものからヒプノティックでダンサブルなものまでを横断し、印象的でドリーミーなサウンドを展開。サウンドのバランスや安定感が絶妙で、その心地よいリスニング感はジャンルの垣根を越えて注目度が高まっている。


Klloのセカンド・アルバム『Maybe We Could』から「Still Here」のJacques Greeneリミックスがリリース


セカンド・アルバム『Maybe We Could』が好評のオーストラリアはメルボルンを拠点に活動している、Simon Lam(プロダクション)とChloe Kaul(ヴォーカル)の従兄弟によるエレクトロニック・ミュージック・デュオ、Klloのアルバムのリード・シングルであり、 J-WAVEの「TOKIO HOT 100」で3周連続ベスト10入り(最高位4位)するなどスマッシュ・ヒットしている「Still Here」のカナダはトロントを出身で、LuckyMeの気鋭プロデューサー、Jacques Greeneによるリミックスがリリースされました。

 

Kllo – Still Here (Jacques Greene Remix)


Artist: Kllo
Title: Still Here (Jacques Greene Remix)
Label: PLANCHA
Format: Digital Single
Release Date: 2020.09.24

iTunes / Apple Music: https://music.apple.com/jp/album/still-here-jacques-greene-remix-single/1530765328
Spotify: https://open.spotify.com/album/05mpoyBDwRisOzJ1ik7wWv?si=2wSdfvTWSBGQdtUtHQfXIA
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=Qy2ztxVXUlc

 

セカンド・アルバム『Maybe We Could』NOW ON SALE


Artist: Kllo
Title: Maybe We Could
Label: PLANCHA
Cat#: ARTPL-125
Format: CD / Digital ※CDリリースは日本のみ
解説: 野田努 (ele-king)
歌詞・対訳付き
Release Date: 2020.07.17
Price(CD): 2,000yen + tax

オーストラリアはメルボルンを拠点に活動している、Simon Lam(プロダクション)とChloe Kaul(ヴォーカル)の従兄弟によるエレクトロニック・ミュージック・デュオ、Klloのセカンド・アルバム『Maybe We Could』がついに完成。

各所で高い評価を得た、2017年のデビュー作『Backwater』のリリースからの2年間に及ぶワールド・ツアー、幾つかのシングル・リリースの後、両者は互いにソロ作品に取り組んでいた。
そういった経験を経て、再び共に創作を始めた彼らは新たなスタートを迎え完成させた、ダンス・ミュージックのリズムと感情的なコードやメロディを組み合わせた珠玉の10トラック。

リード・シングルである「Still Here」は、センシティヴなピアノ・バラードの下に90年代のレイヴスタイルのドラムが駆け抜ける切なく疾走感のあるトラック。「この決定を信じるのにはかなりの時間がかかりました」とChloeは語っているが、結果的に両者が好む2つのスタイルを見事に融合させたダンサブルで美しいサウンドに仕上がった。「Insomnia」では柔らかなキーに硬いビートを絡め、メランコリックで滑らからサウンドを展開。この曲は活動休止中に両者が北米にいたときに素材を提供しあったもので、別々の場所から書かれた初めてのトラックであ。その感触は時差ぼけの喜びと変位の感覚を反映しており、北米での時間に大きく影響受けている。
そして、アルバムのハイライトは、「Somehow」。アンバランスな関係を切り取った渦巻くようなダンス・トラックで、パーカッシブなビートの上でシンセラインは静止状態からスパイラル状に変化し、目まぐるしくも心地よく展開する。「Ironhand」では喪失と変化への恐れに対峙するほろ苦いR&Bをみせるなど、実に多彩で、繊細かつ力強い2人の持ち味が実直に反映されている。。

片思い、疑い、欲望、決断などの衝動に従いながら、より滑らかでニュアンスのあるトーンを取り入れている。もちろんこれまでのKlloならではのダイナミズムもあるが、年齢と経験を重ね、より上品で味わい深い作品に仕上がっており、さらなるブレイクに期待高まる。なお、CDリリースは現状日本のみ。

Tracklist:
01. Cursed
02. Still Here
03. Insomnia
04. My Gemini
05. Somehow
06. Maybe We Could
07. Ironhand
08. 1 Up
09. A Mirror
10. Just Checking In

 


Kllo:

オーストラリアはメルボルン出身のSimon Lam(プロダクション)とChloe Kaul(ヴォーカル)による従兄弟デュオ。ツーステップ・ガラージやコンテンポラリーなR&Bから影響を受けたエレクトロニック・ミュージックを制作しており、元々はKloという名義で活動していたが、現在はKlloに改名している。
2014年にBBC Radio 1のプレイリストに収録された「Make Me Wonder」でデビューし、同年その曲を含むEP「Cusp』をオーストラリアのレーベルDot Dashからを発表。そのサウンドは瞬く間に注目を集め、Different Recordings(UK/EU)、Ghostly International(US)との契約に至り、2016年にEP『Well Worn』を発表した後、2017年にファースト・フル・アルバム『Backwater』をリリースした。アルバム・リリース以降、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、アムステルダムなどをツアーし、2018年9月には初来日公演も行った。
時にアッパーに、時にチルにと絶妙なバランスで展開するトラックに魅惑的なヴォーカルが乗る、ドリーミーでスタイリッシュなエレクトロニック・ポップ・サウンドはロック〜クラブの垣根を越えて多くのリスナーに支持されている。また、アブレッシヴなライヴ・パフォーマンスにも定評がある。


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