Author: PLANCHA

オノ セイゲン&晴豆 presents 11MHz DSD/Nu 1 試聴体験会 vol.3 11MHz DSDで聴くdip in the pool 『8 red noW』全曲試聴

昨年CD盤をリリース致しました、dip in the poolの『8 red noW』が、世界的サウンドエンジニアのオノ セイゲン氏がホストを務めるDSD試聴&トーク・イベントにて全曲試聴体験会が代官山の「晴れたら空に豆まいて」で開催されます。
詳細は以下をご確認ください。

 

オノ セイゲン&晴豆 presents 11MHz DSD/Nu 1 試聴体験会 vol.3
11MHz DSDで聴くdip in the pool 『8 red noW』全曲試聴

出演:
オノ セイゲン
木村達司(dip in the pool)

日程:2022年3月11日(金)
会場: 晴れたら空に豆まいて
時間:open/start 18:30/19:30

チケット:
前売 2,000 / 当日2,500(共に1ドリンク代600円別途)
学割1,000 / 当日1,500(共に1ドリンク代600円別途)

チケット予約:
http://haremame.com/schedule/72363/
http://haremame.com/reserve/

「オノ セイゲン&晴豆 presents 11MHz DSD/Nu 1 全曲試聴体験会」は、世界的サウンドエンジニアのオノ セイゲン氏がホストを務めるDSD試聴&トーク・イベント。

その第3弾となる今回は、国内外で活動しているエレクトロデュオ、dip in the poolの『8 red noW』をメイン・コンテンツに、メンバーでプロデューサーも務める木村達司氏をゲストに迎えて開催いたします。

今回も、サウンド・クオリティに定評のある東京・代官山のライブハウス「晴れたら空に豆まいて」にて、自宅では再現できないような大音量でDSDの高精細な魅力を体感していただきつつ、dip in the poolのここでしか聞けないトークを展開します。

また、アルバム『8 red noW』ハイレゾ・バージョンの制作に際して、サウンド面の大きなカギを握るコルグ社製の1bit USB-DAC / ADC「Nu 1」にもクローズアップ。製品、そしてDSDの魅力を紐解きます。

終演後には最新シングルWhat about this love(12inchアナログ・レコード)のサイン入り即売会も予定しております。

 

 

dip in the pool “8 red noW” CD


Artist: dip in the pool
Title: 8 red noW
Label: PLANCHA / grandisc
Cat#: ARTPL-158
Format: CD
Release Date: 2021.10.20
Price(CD): 2,300 yen + tax

※歌詞カード付き
※正方形紙ジャケット仕様(帯付き)


海外からの再評価が進み、国内外の様々なアーティストからラブコールを受けているdip in the poolが1997年にリリースしていたポップでカラフルなアルバム『Wonder 8』から6曲を抜粋しリマスタリング、そして新曲2曲を追加してアップデートした新たな8つのワンダフルな曲世界『8 red noW』。

1983年に作/編曲を担当する木村達司(track)と、モデル、女優としても活動している作詞担当の甲田益也子(vo)によって結成されたデュオ。86年にイギリスの名門ROUGH TRADEよりデビューし話題となった。木村達司が構築する巧みなトラックに甲田益也子の幻想的なヴォーカルを融合させる確固たるスタイルで、マイペースに活動を続け、今日までに計10枚のアルバムをリリース。昨今の80年代日本音楽の世界的評価の流れもあり、近年はVisible Cloaksと共作するなど、海外からの再評価が著しく、国内外から脚光を浴びている。

90年代後半に一時期活動を休止し、2011年に再開したのだが、その休止前最後にリリースしていたのが『Wonder 8』である。ドリーム・ポップやアンビエントなどにリンクする幽玄的なサウンドを披露してきた彼らだが、『Wonder 8』ではそういった要素は残しつつも一際ポップなサウンドを見せている。小気味良いビートと様々な音色がシンプルながら綿密にレイヤードされたトラックに、たおやかなヴォーカルが漂う心地よくカラフルな音世界。本作『8 red noW』は『Woder 8』から6曲を抜粋し、リマスタリングし、2021年9月にリリースした、最新曲で、1992年にMr.Fingers名義でリリースされたLarry Heardのリリカルなチルアウト・ハウスのカヴァー「What about this love」、そして兼ねてから交流が深く、日本でライヴ共演も果たした、モントリオールを拠点に活動しているプロデューサーCFCFとの共作曲「Colour of Life」を追加収録し、新たな8曲にアップデートした作品。

元々は97年の作品であるにも関わらず、全く色褪せることはなく、時代が転換したこともあり、むしろ現代的にすら感じられ、時を超えて聴かれるべき新鮮な息吹を放っている。

清水靖晃、Satoshi Tomiie、窪田晴男、バカボン鈴木、水政創史郎、古川初穂、赤木りえ、松田幸一、CFCFが参加。

アートワーク/アート・ディレクションは盟友Mic*Itayaが担当。


TRACK LIST:

01. Lucy
02. What about this love
03. I feel so good
04. Spring of love
05. 緑の光線
06. She’s a fruit
07. On LINE
08. Colour of life

Guest Musicians:
Yasuaki Shimizu, Satoshi Tomiie, Haruo Kubota, Vagabonde Suzuki, Soshiro Mizumasa, Hatsuho Furukawa, Rie Akagi, Kohichi Matsuda and CFCF

 

dip in the pool “What about this love” 12inch


Artist: dip in the pool
Title: What about this love
Label: Studio Mule
Cat#: Studio Mule 38
Format: 12 inch
Release Date: 2022.02.04


1992年にMr.Fingers名義でリリースされたLarry Heardのリリカルなチルアウト・ハウスのカヴァー「What about this love」がChaos In The CBDによるフロア仕様なリミックスを加え、Studio Muleから12インチ・リリース。


TRACK LIST:

A. What About This Love
B. What About This Love (Chaos In The CBD Remix)

 


dip in the pool:

1983年に作/編曲を担当する木村達司(track)と、作詞担当の甲田益也子(vo)が結成したデュオ。独特の音楽センスとファッショナブルなヴィジュアルが話題を呼び、86年にイギリスはROUGH TRADEよりデビュー。国内では86年MOON RECORDS(現在はワーナーミュージック内のレーベル)よりデビューアルバムをリリース。88年にTV-CMに使用されたシングル「Miracle Play ~ 天使の降る夜」で大きな人気を集めた。
過去にレコーディング参加したミュージシャンは、佐久間正英、清水靖晃、窪田晴男、富家哲、トニー・レヴィン、ミノ・シネル、モーガン・フィッシャー、ピーター・シェラー(アンビシャス・ラバーズ)、といった個性豊かな実力者ばかりであった。
マイペースな活動と並行して、甲田益也子が89年に映画『ファンシイダンス』で役者としてもデビューし、映画『白痴』では主演をつとめた。木村達司は他アーティストのプローデュース、アレンジやCM、映画音楽制作等、個々の活動も多彩に展開している。
MOON RECORDSでアルバム4枚、EPIC SONY (現在のEPIC RECORD)で3枚、EAST WORKSでアルバム1枚を発表。98年にはEAST WORKSより作曲及びプロデューサーに細野晴臣、清水靖晃、テイ・トウワ、ゴンザレス三上、ピーター・シェラー、etc.という豪華な顔ぶれを迎えた甲田益也子のソロアルバムをリリース。
その後の活動休止を経て2011年に本格的に再始動、14年ぶりになるアルバム『brown eyes』をリリース。
2013年には木村達司がモーガン・フィッシャー、安田寿之と共にアンビエント・エレクトロニカ・アルバム『Portmanteau』をリリース。甲田益也子がゲストボーカルとして4曲参加している。
2015年1月に伊藤ゴロー、古川初穂らをゲストに迎えた10枚目のアルバム『HIGHWIRE WALKER』をリリース。
2016年にアムステルダムに本拠を置き世界中に多くのファンを擁する復刻レコード専門レーベルMusic From Memoryから89年に発表した『On Retinae』が12 inch・シングルとしてリイシューされ世界的に再評価される。
2017年にはアメリカのアンビエント・デュオVisible Cloaksからの依頼を受けシングルを共作リリースし、来日イベントでは共演も果たしている。
2018年、オーストラリアはメルボルンとシドニーのでのフェス、イベントに参加。
2019年、フランスはパリ、スウェーデンはストックホルムでのフェス参加、ライブ公演を行う。
2020年、カナダの奇才、CFCFとの共作曲をdip in the pool名義としては4年振りにシングルをリリース。
また、世界を三つのタイムゾーン(JST for Asia, Oceania, CET for Europe, Africa, CDT for North and South America.)に分け、それぞれのゾーンに向けたオンラインライブ配信=バーチャル・ワールドツアー ‘Around the World in a Day’ を開催し話題となる。
2021年、9/24リリースのシングル「What about this love」を含むニュー・アルバム『8 red noW』を10/20にリリース。


MAARJA NUUT “Hinged” [ARTPL-164]


Artist: Maarja Nuut
Title: hinged
Cat#: ARTPL-164
Format: CD / Digital

※ボーナス・トラック1曲収録
※日本独自CD化
※解説・歌詞対訳付き

Release Date: 2022.03.18
Price(CD): 2,200yen + tax


エストニアのフォークロア~アンビエント~ダンス・ミュージックまでを巧みな実験精神で融合させた唯一無二のフューチャリスティック越境フォークトロニカ。
ele-king(E王獲得)やResident Advisor等でも絶賛され、2021年裏ベスト・アルバムとの呼び声も高いエストニアのコンポーザー/プロデューサー/シンガー/ヴァイオリニスト、Maarja Nuutの最新作『hinged』がボーナス・トラックを追加して日本のみの待望のCDリリースが決定。

2013年にデビュー以来エストニアの伝統的な楽器編成と曲作りを再構築したり、エストニアのフォークロアとアトモスフェリック・テクノを融合するなどして、類い稀な才能を持つ実験音楽家として批評家から高く評価されたてきた。本作『hinged』はソロとしては3作目、RuumことHendrik Kaljujärvや酩酊サイケ・ダブの重鎮Sun Arawとのコラボ作も含めると通算6作目のアルバムである。エストニアの海辺のスタジオにてプロデュース、録音をほぼ1人で敢行しており、本人は「私にとって初めての本格的なソロ・アルバムのような気がします」と語っている。モジュラー(ユーロラック)のモダンなサウンドをランダムに配し、(自分の)声の実験的な可能性を受け入れ、古いヴェルモナのオルガンを弾き、新旧様々な要素を織り交ぜていくなかで完成させた。収録曲のうち3曲にスイスのジャズ・ピアニスト/パーカッショニストのNicolas Stockerをフィーチャーしており、アルバムの展開に重要なアクセントを加えている。

Nicolasの小気味よい五月雨のようなパーカッションに、刻まれ浮遊するようなMaarjaのヴォーカルとオルガンが絶妙に心地よいジャジーなタイトル・トラックで幕を開け、続く「On vaja」でも変則的ながら独特のリズム・キープに中毒性のあるNicolasのパーカッションと周波数をトリップさせる不協和なシンセとぐにゃっとエディットされたヴォーカルでややポストロック調の様相をみせる。ファースト・シングルとしてリリースされた「Kutse tantsule」(ダンスの呼びかけ)では脈打つリズムの中でループし、子守唄のようなヴォーカルで「あなたも私と一緒に踊りに来ますか?」というフレーズを繰り返し、アトモスフェリックでどこかポップな世界を演出。「mees, kes aina igatses」は、おそらくMaarjaの以前のアプローチに最も似ており、木管楽器も絡めて伝統的なエストニアのヴィレッジ・スタイルのようだが、倍音構造にアレンジするなど穏やかな雰囲気とドローンでアップデートしており、未来のフォーク・ソングともいえる独特の牧歌的なムードに引き込まれる。「vaheala valgus」はオルガン・ドローンにハミング・ヴォーカルが融合する無重力のオデッセイをみせ、「subota」では重層的なクリック・ビートと転調させたヴォーカルで秀逸なアンビエント・ダブを披露。ミニマルな展開の「a feast」を経て再びNicolasをフィーチャーした「jojobell」へ。タイトでパーカッシヴなリズムに彗星が急降下するようなシンセを絡めたスペーシーで独特なグルーヴを放つ。「a scene」は後半のハイライトになるトラックで、郷愁にみちたメロディにMaarjaの美しい歌声が注がれ、彼女がより伝統的な曲の構成に従ったときに極めて美しく機能させることができることを示している。そして神秘的なオルガン・ドローンに美しいヴォーカルのタペストリーが幻想的なアンビエント・フォーク「moment」で幕を閉じる。

多岐に渡るアプローチを見せながらも、通底する幻想的でリズミック且つどこかグルーヴィなテイストが綿密なバランスでブレンドされたこの作品は中毒性に満ちている。エストニアのフォークロア、アンビエント〜エレクトロニカ、そして現代的なダンス・ミュージックを点と線で結びつけるような探索的・革新的で極めて秀逸な作品だ。

なお、CDリリースは日本のみ。本作のアウトテイクとなった1曲をボーナス・トラックとして収録。


Track List:
01. hinged (feat. Nicolas Stocker)
02. on vaja_in need (feat. Nicolas Stocker)
03. kutse tantsule_a call to dance
04. mees, kes aina igatses_a man ever yearned
05. vaheala valgus_i hear behind the moon
06. subota
07. a feast
08. jojobell (feat. Nicolas Stocker)
09. a scene_merevees
10. moment
11. see maailm, mis elab sinus (Bonus Track)


韓国ソウルを拠点とするプロデューサー/DJデュオ、SalamandaがNYの新進レーベル、Human Pitchから新曲「Overdose」をリリース&MVを公開


ミニマル〜アンビエント・ミュージックを探求する韓国ソウルを拠点とするプロデューサー/DJデュオ、Salamanda(Uman Therma / Yetsuby)が、共にThe Lot Radioでレジデントも務めるSimisea(RVNG Intl.のスタッフも務める)とTristan Arp(UKのWisdom Teethからソロ・アルバムをリリースし、Asa Toneのメンバーでもある)が主宰するニューヨークのレーベルHuman Pitchとサインし、様々なアジアの気鋭アーティストもリリースしているUKのMétron Recordsの姉妹レーベル、small méasuresからの2021年の作品『Sphere』に続くニュー・シングル「Overdose」をリリース&MVを公開しました。

 

Salamanda new single “Overdose” out now


Artist: Salamanda
Title: Overdose
Label: PLANCHA / Human Pitch
Format: Digital Single
Listen / Buy: https://orcd.co/25o3268

Single Artwork by Zin Taylor
Matered by Tristan Arp

Salamanda – Overdose (Official Video)
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=yxRjoG9FHTk

Directed by Salamanda

 
「Overdose」は、生命を育む泉のような豊穣さで溢れ、泡のように膨らんでいる。Salamandaのヴォーカルは曲の前半で物憂げに浮かび、虹色に輝くミノウ(小魚)のように舞い散るシンセサイザーの小波をゆっくりとすり抜けていく。中盤からはUmanとYetsubyのコンビネーションの抑揚が恍惚へと誘い、カタルシスに満ちたプラトーに到達する。

Salamandaは2020年に韓国のQuick-Dieと日本のK/A/T/O MASSACREによるコラボ企画「QUICK/ MASSACRE」にオンライン出演を果たしている。またYaejiとの交流も深く、NTSのラジオ・ショーにもゲスト出演している。


麗しく優しい、寄り添うような天空のドリーミー・フォーク。RVNG Intl.が契約した新たな才能Diatom Deliのニュー・シングル「False Alarm」がリリース&MV公開

Credit: Corey King

Credit: Corey King

RVNG Intl.が契約した新たな才能。テネシー州で生まれ育ち、現在はニューメキシコ州のなだらかな山岳地帯を拠点にしている、Diatom Deli(本名:Deli Paloma-Sisk)がRVNG Intl.へ移籍してニュー・シングル「False Alarm」をリリース、同時にLindsay GauthierとAndréWilliamsが監督したミュージック・ビデオも公開されました。

 

Diatom Deli new single “False Alarm” out now


Artist: Diatom Deli
Title: False Alarm
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Listen / Buy: https://orcd.co/d5jnayl

Diatom Deli – False Alarm (Official Video)
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=QeqdS1hHqF8

Directed by Lindsay Gauthier & André Williams

麗しく優しい、寄り添うような天空のドリーミー・フォーク。

祖母の隣人が毎晩クラシック・ギターを弾いていた記憶がデリの中に残り、10代前半から独学で楽器を学び、大学で正式に勉強した後にギター、シンセサイザー、そして自身の声を駆使して制作を始め、これまで2015年に『Feelsounds』、2017年に『TQM(Te Quiero Mucho)』をリリースしてきた彼女であるが、その非凡な才能に着目したRVNG Intl.がサインに至る。

そしてリリースされたこの新曲は、愛の広大な可能性を無防備に再生したもの。「False Alarm(誤った警報)」 の中で、Deliは人生の矛盾に対する愛情深い賞賛から喪失に伴う慎重な悲しみまでを理解する精神を表現している。曲のメロディの行間は、残された感情的な残滓を取り除き、完全な解決に向けて寛大に構築するのを助ける趣に満ちている。

Deliはこのシングルについてこう語っている。”この曲では、パニック発作を起こすという行為を擬人化し、ネガティヴなセルフトークを聞き、受け止め、自分の世界でそれを重要視しないように最善を尽くしますが、結局はそれが勝ってしまい、パニックと恥ずかしさの同じサイクルに陥ってしまうのです。”

また、Lindsay GauthierとAndréWilliamsはビデオの中で、「Deliと何度か話をした後、私たちはつかの間のアナログ映像と共に短命な感情の状態を探求したかった。このビデオは、困難な感情の比喩としての反響の持続性を示す実験であった」と語っている。

思いやりがありまるで夢のような、Deliの巧みなソングライティングと親密な歌詞の融合は、聴き手を否応なしに引き込んでいく。今後のアルバム・リリースへの期待も高まる秀逸な楽曲だ。


エストニア発の類稀なる才能。Maarja Nuutが2021年裏ベスト・アルバムとの呼び声も高い最新作『hinged』で日本デビュー決定。

photographed by Taavi Arus

photographed by Taavi Arus

San Arawとの共作も話題となり、類い稀な才能を持つ実験音楽家として各所から高い評価を得ているエストニアのコンポーザー/プロデューサー/シンガー/ヴァイオリニスト、Maarja Nuutの2021年裏ベスト・アルバムとの呼び声も高い最新作『hinged』がボーナス・トラックを追加して、日本のみのCDリリースが決定しました。3月18日発売予定です。

 

Maarja Nuut “hinged” CD 3/18 release


Artist: Maarja Nuut
Title: hinged
Label: PLANCHA
Cat#: ARTPL-164
Format: CD / Digital
Release Date: 2022.03.18
Price(CD): 2,200 yen + tax

※日本盤ボーナス・トラック1曲収録
※解説・歌詞・対訳付き予定


エストニアのフォークロア~アンビエント~ダンス・ミュージックまでを巧みな実験精神で融合させた唯一無二のフューチャリスティック越境フォークトロニカ。
ele-king(E王獲得)やResident Advisor等でも絶賛され、2021年裏ベスト・アルバムとの呼び声も高いエストニアのコンポーザー/プロデューサー/シンガー/ヴァイオリニスト、Maarja Nuutの最新作『hinged』がボーナス・トラックを追加して日本のみの待望のCDリリースが決定。

2013年にデビュー以来エストニアの伝統的な楽器編成と曲作りを再構築したり、エストニアのフォークロアとアトモスフェリック・テクノを融合するなどして、類い稀な才能を持つ実験音楽家として批評家から高く評価されたてきた。本作『hinged』はソロとしては3作目、RuumことHendrik Kaljujärvや酩酊サイケ・ダブの重鎮Sun Arawとのコラボ作も含めると通算6作目のアルバムである。エストニアの海辺のスタジオにてプロデュース、録音をほぼ1人で敢行しており、本人は「私にとって初めての本格的なソロ・アルバムのような気がします」と語っている。モジュラー(ユーロラック)のモダンなサウンドをランダムに配し、(自分の)声の実験的な可能性を受け入れ、古いヴェルモナのオルガンを弾き、新旧様々な要素を織り交ぜていくなかで完成させた。収録曲のうち3曲にスイスのジャズ・ピアニスト/パーカッショニストのNicolas Stockerをフィーチャーしており、アルバムの展開に重要なアクセントを加えている。

Nicolasの小気味よい五月雨のようなパーカッションに、刻まれ浮遊するようなMaarjaのヴォーカルとオルガンが絶妙に心地よいジャジーなタイトル・トラックで幕を開け、続く「On vaja」でも変則的ながら独特のリズム・キープに中毒性のあるNicolasのパーカッションと周波数をトリップさせる不協和なシンセとぐにゃっとエディットされたヴォーカルでややポストロック調の様相をみせる。ファースト・シングルとしてリリースされた「Kutse tantsule」(ダンスの呼びかけ)では脈打つリズムの中でループし、子守唄のようなヴォーカルで「あなたも私と一緒に踊りに来ますか?」というフレーズを繰り返し、アトモスフェリックでどこかポップな世界を演出。「mees, kes aina igatses」は、おそらくMaarjaの以前のアプローチに最も似ており、木管楽器も絡めて伝統的なエストニアのヴィレッジ・スタイルのようだが、倍音構造にアレンジするなど穏やかな雰囲気とドローンでアップデートしており、未来のフォーク・ソングともいえる独特の牧歌的なムードに引き込まれる。「vaheala valgus」はオルガン・ドローンにハミング・ヴォーカルが融合する無重力のオデッセイをみせ、「subota」では重層的なクリック・ビートと転調させたヴォーカルで秀逸なアンビエント・ダブを披露。ミニマルな展開の「a feast」を経て再びNicolasをフィーチャーした「jojobell」へ。タイトでパーカッシヴなリズムに彗星が急降下するようなシンセを絡めたスペーシーで独特なグルーヴを放つ。「a scene」は後半のハイライトになるトラックで、郷愁にみちたメロディにMaarjaの美しい歌声が注がれ、彼女がより伝統的な曲の構成に従ったときに極めて美しく機能させることができることを示している。そして神秘的なオルガン・ドローンに美しいヴォーカルのタペストリーが幻想的なアンビエント・フォーク「moment」で幕を閉じる。

多岐に渡るアプローチを見せながらも、通底する幻想的でリズミック且つどこかグルーヴィなテイストが綿密なバランスでブレンドされたこの作品は中毒性に満ちている。エストニアのフォークロア、アンビエント〜エレクトロニカ、そして現代的なダンス・ミュージックを点と線で結びつけるような探索的・革新的で極めて秀逸な作品だ。

なお、CDリリースは日本のみ。本作のアウトテイクとなった1曲をボーナス・トラックとして収録。


Track List:
01. hinged (feat. Nicolas Stocker)
02. on vaja_in need (feat. Nicolas Stocker)
03. kutse tantsule_a call to dance
04. mees, kes aina igatses_a man ever yearned
05. vaheala valgus_i hear behind the moon
06. subota
07. a feast
08. jojobell (feat. Nicolas Stocker)
09. a scene_merevees
10. moment
11. see maailm, mis elab sinus (Bonus Track)

 

Maarja Nuut:
1986年生まれ、エストニアはラクヴェレ出身のコンポーザー/プロデューサー/シンガー/ヴァイオリニスト。幼少期から合唱団の指導者でもあった母親の影響で音楽を親しむようになる、7歳からヴァイオリンのレッスンを受け始め、12歳からタリン音楽高等学校で学んだ後、エストニア音楽・演劇アカデミーに入学。エストニアやヨーロッパ各地の音楽祭に参加し、早くから民族音楽に興味を持つようになる。21歳のとき、オランダ人チェリストのサスキア・ラオ・デ・ハースとともにインドを訪れ、ヒンドゥスターン音楽を学んだ。
2008年、エストニアに戻った彼女は民族音楽の道に進むことを決め、タルトゥ大学の一部門であるヴィリヤンディ文化アカデミーで学んだ。ここで、ソビエト連邦以前のエストニアの村の音楽の78回転レコードに出会い、インスピレーション得る。2011年からストックホルム大学で学び、特にポーランドの村落民俗音楽への関心を深めた。2014年に音楽の修士号を取得して卒業した。
元々はクラシックを学んでいたが、民族〜フォーク・ミュージックへと傾倒し、伝統的なエストニアのヴィレッジ・スタイル現代的な解釈へと消化するスタイルを確立。2013年にソロ・アーティストとしてアルバム『Soolo』デビューし、タリン・ミュージック・ウィークでアーティスト賞を受賞。2016年、ソロ・セカンド作『Une Meeles』をリリースし高い評価を得た後、独自のアブストラクト・エレクトロニック・サウンドを生成するHendrikKaljujärv(別名Ruum)とのコラボレーションを開始。Maarja Nuut & Ruumのデュオ名義で2枚のアルバムをリリースし、国際的なフェスティバルへの出演も果たす。2020年にはSan Arawとのコラボ作をリリースし話題となった。そして2021年にパンデミックのタイミングで受け継がれた祖母の古い農場の開墾と修理の合間を縫って自信の海辺のスタジオでプロデュース、録音をほぼ1人で敢行した自身にとって”初めての本格的なソロ・アルバム”という『hinged』をリリースした。


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