Artist: Spencer Doran
Title: SEASON: A letter to the future (Original Soundtrack)
Cat#: ARTPL-195
Format: CD / Digital
※解説:柴崎祐二
※日本独自CD化
※正方形紙ジャケット仕様
Release Date: 2023.10.06
Price(CD): 2,200yen + tax
Visible Cloaksの片割れで、編集を担当した日本のアンビエント・コンピレーション『環境音楽 = Kankyō Ongaku (Japanese Ambient, Environmental & New Age Music 1980 – 1990)』が第62回グラミー賞の最優秀ヒストリカル・アルバム賞にノミネートされるなど、現代のアンビエント〜ニュー・エイジ・ムーヴメントを牽引する才人、Spencer Doranが約3年かけて作曲・制作したロードトリップ・アドヴェンチャー・ゲーム『SEASON: A letter to the future』のオリジナル・サウンドトラック。
探索、記録、そして人々との出会いを通して、主人公「エステル」を取り巻く奇妙な世界の謎を解き明かしていく瞑想的探索ゲーム『SEASON: A letter to the future』のためにSpencer Doranが約3年かけて作曲・制作したオリジナル・サウンドトラックであり、この温かく消えゆく世界からの豊かな発信のコレクションは、最後の証人の感傷的な耳を通して、文化や生態系を聴くことができる。
Spencerは『SEASON』の制作において初期から協力し、ゲームの空想的な世界と感情的なトーンの定義に貢献。彼の音楽活動は、サイトスペシフィックなオーディオ・インスタレーションや、高い評価を得ている『環境音楽 = Kankyō Ongaku (Japanese Ambient, Environmental & New Age Music 1980 – 1990)』の編纂、また、Visible Cloaksのメンバーとして、人間味のあるフューチャリスティックな作品を制作など、さまざまな形で行われてきた。それぞれの追求は、発明された文化が最後の日々を生きている中で行われるこのビデオ・ゲームのサウンドトラックの中で関連性を見出した。
『SEASON』は、ある時代や場所で生きていることがどのような感覚なのか、そしてその感覚を未来に伝えることをテーマにしている。物語の主人公であるエステルは、写真家であり録音家であり、マイク、カメラ、日記を駆使して、消去に直面している環境の複雑さを明らかにする。この記録は、単なるサルベージ人類学ではなく、エステル自身の過去を理解する鍵であり、私たちの現在を考える瞑想でもある。
サウンドと音楽は、『SEASON』のインタラクティヴ性と物語性に大きく関わっている。キャラクターは自由形式のオーディオレコーダーを装備しており、ゲーム内で聞こえるあらゆる音をキャプチャして再生し、彼女を取り巻く世界についての啓示を引き起こすことができる。山の空気で奏でられるオルガン、村の「眠りの音楽」を響かせるラチェット式オルゴール、渓谷の突風で奏でられるエオリアン・ハープ、老僧のハイファイから流れ出る想像的エキゾティカなど、これらの音は時に音楽的で、サウンドトラックを通して彼のスコアと織り交ぜて聴くことができる。
Spencerは『SEASON』のオーディオ・チームと協力し、単に作曲して3Dコンテキストに配置するのではなく、ゲーム・プラットフォーム用の複雑なオーディオ・システムを管理するために設計されたAudiokinetic社のソフトウェアWwiseを使って、抽象的で進化する体験のためのサウンドトラックをアレンジした。 『SEASON』の環境音楽は、Spancerが「ベン図モデル(Venn Diagram model)」と呼ぶ音色のレイヤリングを使用している。「様々な曲のモジュラー・レイヤーが広範囲に分散し、風景を横断しながら互いに重なり合い、ランダムな要素が絶えず異なる組み合わせを作り出す」と説明している。
スコアは「音楽の風」として機能する。音の断片は、風景の音響生物群と同じように漂い、渦巻く。作曲家がオーケストラの各楽器のために作曲するように、風景の声、突風、難解な想像上の楽器、漂うラジオ放送のために作曲する。その音楽は、ドイツのフェルンヴェー(Fernweh:ホームシックと真逆の意味の単語で、これまでに行ったことのない場所やどこか遠い場所へ行くことを欲する状態を指している)や「far sickness」のように、行ったことのない場所へのホームシックという、場所を選ばない特殊な感情を表現している。特にピアノ曲には、20世紀初頭の印象派、ラヴェル、サティ、ドビュッシー、デオダ・ド・セヴェラックの影響が見て取れる。その他にも、ヴィオール、ハープ、フルート、ポータブルオルガン(プチ・オルグ)、チェレスタなど、歴史的な楽器が聴かれ、彼がVisible Cloaksで探求した鮮明なハイパーリアル空間の中で、すべてが表現されている。
自然界とノン・ディジェティック・スコアの境界は曖昧で、音世界に重ねるのではなく、むしろその延長として機能する。Hildegard WesterkampやR. Murray Schaferといった音響生態学の分野に隣接する作曲家や、Steven FeldとJosé Macedaによる、Spancerによれば「伝統的な音楽形式で聞こえる自然界の反射」についての研究結果を参考にしている。
この豊かで変化する音のネットワークを伝統的なサウンドトラックのリリースに凝縮することは、Spaencerにとって挑戦だったが、これは表現形式に関係なく、生きて探求すべき音楽なのです。曲はあなたの骨の髄まで染み渡る、しかし、この音楽は、表現される形式に関係なく、生き、探求する音楽なのだ。
Spencer Doran『SEASON: A letter to the future (Original Soundtrack)』は、2023年5月5日にデジタル配信され、秋には2枚組LPとCDがリリースされる予定です。『SEASON: A letter to the future』のゲーム・ソフトは、Scavengers StudioよりPlaystation 5、Playstation 4、PC向けに発売中。
01. Title Screen
02. Estelle’s House
03. “We all rested together until it got dark…”
04. Village Sleep Music Instrument
05. Caro Village
06. Mountain Air Instrument
07. The Road Out of Caro
08. Cycling in the Rain
09. Lulkanto Op. 34 (Music Box)
10. Tieng, Through the Mist
11. Tieng Winds
12. Wind Harp
13. Cemetery
14. Sophon’s Lament
15. Morning Song – Azen Islands (Radio)
16. De belles choses vues à travers une vitre sale (Radio)
17. Matyora’s Song
18. Mom (Dream)
19. Ascending to the Shrine
20. The Golden Bells – “Leave Your Coats On The Bed”
21. Easel’s Prayer
22. The Seaside
23. Credits
+ ボーナス・トラック収録予定